新井、新打法で3安打!呉昇桓から一発

 「阪神紅白戦、白組3‐10紅組」(20日、宜野座)

 新井貴浩内野手(37)が20日、宜野座村野球場で行われた紅白戦で呉昇桓投手(31)から今キャンプ1号となる2ランを放った。改造を試みる上半身の力を抜いた新打法で、能見、藤浪、呉昇桓の看板3投手から3安打の大活躍。一塁のレギュラーを争う新助っ人ゴメスは紅白戦を回避したが、お兄ちゃんは実戦2試合で7打数6安打と絶好調だ。

 新井が2014年型の脱力フォームで、呉昇桓のカットボールをスタンドまで運んだ。六回の第3打席。甘く入った130キロの変化球をたたくと、打球は宜野座村野球場の最も深い、左中間のフェンスを悠々またいだ。初回には能見の初球を中前に運び、四回には藤浪の150キロ速球を右前へはじき返した。猛虎の看板3投手から3安打3打点。理想に掲げる改造スイングで、長短打を広角に打ち分けた。

 「力が抜けてる?そう見える?上半身の力に頼るとヘッドが走らないので、下半身で回転しないといけない」

 まず、構えそのものを変えた。昨季は肩口でバットを揺らしてタイミングをとっていたが、昨年11月に改良に着手。脱力して楽に構えることで上半身の力を抜いた。今キャンプ初実戦となった15日の紅白戦(宜野座)でいきなり3安打を放ち、この日もミスショットなしの猛打賞。06年のWBC韓国戦で手も足も出ず三振に倒れた呉昇桓から会心の一発を放ち、手応えを得た。

 「結果もそうですけど、今取り組んでいることができたことが良かったです」。共同会見中、8台のテレビカメラの背後で能見から冗談まじりに「この味方殺し!」とヤジられ、噴き出しそうになった。調整段階とはいえ、リニューアルしたスイングで好投手をとらえた「好結果」は、ゴメスの加入でポジションを確約されない今の新井にとっては、貴重な財産になるはずだ。

 「今までのように、のんびり調整ということは、まったくない」と真顔で語ったが、試合前は「エヴァンゲリオン、25号機出動しま~す」と、人気アニメの主人公よろしく、リラックスして素振りをしていたという。気持ちも打撃も力が抜けた、ニューお兄ちゃんはただいま絶好調だ。

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