阪神・大山、不動の4番で優勝に導く 昨季飛躍の裏側に“新井流ルーティン”も

 阪神・大山悠輔内野手(26)と新井貴浩氏(43)=デイリースポーツ評論家=が正月対談で腹蔵なく語り合った。昨季、開幕ベンチスタートからキャリアハイの成績を残した大山。飛躍の要因として“新井流ルーティン”の実践を明かすと、新井氏はさらなる成長を願って金言を授けた。不動の4番、キャプテンとして臨む2021年シーズン。大山が05年以来、16年ぶりのリーグ優勝を導く。

 希望が膨らむ新春の幕開けだ。今年の目標は「優勝」-。大山は力強い筆致で色紙にしたためた。新井氏から「打点王と本塁打王、どっちがいい?」と聞かれると「打点王でお願いします」と即答。昨季、本塁打争いを演じても信念は揺るがない。猛虎の4番、キャプテンとして、チームの勝利を一番に追い求める。

 「去年タイトル争いの中に入って、そこに勝っていかないと、と強く思った。自分が勝つことによって、それがチームにプラスになるので。高い壁だと思うんですけど、そこに勝てるように、もっともっとやっていきたい」

 同じ右の長距離砲。阪神でも4番を打った新井氏は現役時代から「自分とかぶる」と気にかけてきた。初対談は昨春キャンプ。日が暮れるまで汗を流す姿に「本当によく練習するね」と感心。翌日、大山は「もっと話を聞きたかったです」と再会を待ちわびていた。

 危機感を力に変え、大山は不動の地位を築き上げた。昨季は開幕ベンチスタートからレギュラーを奪回し、4番に返り咲いた。打率・288、リーグ2位の28本塁打、同3位の85打点。終わってみれば、打撃3部門でキャリアハイの数字を残した。

 飛躍はたゆまぬ努力の結晶だ。昨季1年間、ホーム、ビジターを問わず、練習前に特打を行ってきた。新井打撃コーチとの特訓をルーティンとして確立させた。

 大山「良太さんから新井さんが(2005年に)ホームラン王を取った時の話を聞いていて。そこ(練習前の特打)で打つ感覚というのがすごく自分に合っていて、1年間続けようと。最後の方はしんどい時もあったんですけど、10球でもいいから、行ってやるっていうのは、ひとつのルーティンとして続けていました」

 若き日の新井氏も、旧広島市民球場の左翼席裏にあるブルペンでの特打を欠かさなかった。水本ブルペンキャッチャー(現オリックスヘッドコーチ)を相手に雨の日も嵐の日も、試合が中止になっても、バットを振り続けた。

 セ・リーグの4番は群雄割拠だ。猛虎の4番から球界を代表する選手へ-。新井氏は対談後も自らの経験を踏まえて助言を送った。

 新井氏「昨年は飛躍のシーズンになった。今季に向けて何か新しいことを出そうということは絶対にやらない方がいい。遊び心で自主トレでやるのはいいんだけど、去年やってきたことを体に落とし込むぞっていう意識でやった方がいい。それで俺は失敗してるから(笑)」

 大山は真剣なまなざしで耳を傾け「やってきたことを継続しようと思います」と力強くうなずいた。ロハス、アルカンタラ、チェン…。オフの補強と主力の成長に期待は高まるばかりだ。16年ぶりの悲願成就へ、大山がファンの初夢をかなえる。

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