阪神・掛布雅之ＤＣ（５８）が１４日、秋季キャンプが行われている高知県に入り、チームに再合流した。就任後、初めての実戦視察となる１６日の練習試合、韓国・ＬＧ戦（安芸）を前に「初球から打っていけ」「直球を仕留めろ」「打った時こそ反省を」と若虎へ飛躍への３カ条を送った。

　成長の場を無駄にするな。伸び盛りの若手にとって重要な実戦。掛布ＤＣが自身の経験を基に“今季最終戦”のＬＧ戦へ向けて、３つの心がけを説いた。

　１つ目は「初球から打っていけ」。積極的な打撃は投手に重圧を与え、警戒度が増せばボール球も増え、優位に立てる可能性が高まる。ただ、何でもかんでも初球から振れというわけではない。

　「ボール球の見極めができないと相手を有利にしてしまう。特に初球の外角スライダーみたいな、直球と腕の振りが変わらない変化球を見極めないと自分の首を絞めてしまう」と冷静に相手の心境を読んだ打撃を求めた。

　２つ目は「直球を仕留めろ」。掛布ＤＣは２年目が打率・２４６に終わったが、３年目は同・３２５を記録。相手の一番速いボールに対応することで打撃の幅が広がり、成績向上につながった。

　「アウトでも捉えられるかが大切。打者有利のカウントで投げてくる直球を仕留められているか」。１６日は力負けしないかどうかを確認するつもりだ。

　最後のポイントは「打った時こそ反省を」。気が緩みそうな時こそ、自分を省みることが成長への近道となる。かつては自身も試合後に配球を書き残し、振り返っていた。

　「打てなかった原因は本人が一番分かる。どこが悪かったというのは、打てた時よりも打てなかった打席の方が感じる。結果に対して、なぜ（打ったのが）あの球なんだ、というのが打席の中にはあるからね」と、今後もあえて打った打者に声を掛けていく方針だ。

　１５日から練習に合流し、安芸で指導を再開する。「気付いたことがあれば言う。１６日は自分の目でゲームを見ることができるので楽しみだね」。秋季キャンプも残り６日。掛布ＤＣは若虎の変化に期待している。