虎5カード連続負け越し…Gと12・5差

 「阪神2‐5中日」(12日、甲子園)

 阪神が4連敗。5カード連続の負け越しで、貯金は1桁に戻った。走者を出しながらも、あと一打が出ない。大きな盛り上がりもない。ここ最近のパターンで敗戦。“2位独走”とは思えないほど、元気がない。3位広島とはまだ8差ある。それでもCSへ向けて、虎党の不安は少しずつ大きくなりつつある。

 ガチャ。会見場のドアノブが回る。報道陣が待つ場所まで数メートル。歩を進める和田監督の靴音が弱かった。必死で気力をたぎらせた視線にも、いつもの力強さがなかった。まさかの大失速。重苦しい敗戦が嘆きを呼んだ。

 「この時期に、こんな苦しみ方をするとは思ってなかった」。引き分けを挟んで4連敗。5カード連続の負け越し。首位・巨人とは今季最大の12・5差。貯金はひと桁に落ち込んだ。気がつけば3位・広島と8差。上より下との距離が近づいた。

 チャンス続出の終盤。また、あと1本が出なかった。10残塁の拙攻。「結局誰かがカベを破らなきゃいけないんだけど。その後のバッターがどんどんしんどくなってしまっている」。負の重圧に押されたタテジマ。甲子園が失意に包まれた。

 采配も不発に終わった。1点ビハインドの八回、1死二、三塁。高橋周を敬遠し、満塁策を選択したが、久保が谷繁に右前適時打。代わった藤原が押し出し。「あそこは1点勝負の場面。どうやって1点を防ぐかというところだった」。致命的な2点を失った。

 意思疎通にも欠けた。五回、無死一塁。柴田は一塁前にバントを転がした。だが、柴田への指示はセーフティーバント。「あわよくば塁に出て欲しかったんだけどね。そうは見えなかったね」。バントに移るまでの動作、走り出し。とても自らも生きようというプレーには見えなかった。

 柴田は意図をこう説明した。「まず走者を進めると。あわよくば自分も生きる。サードも前に出てきてた。ピッチャーと一塁の間を狙う方が、セーフになりやすい。クラークの守備を考えても」。送ることより、生きることを重視するのがセーフティーバント。能見の適時打で一時は同点となったが、この時期に野球観の相違が露呈するようでは悲しすぎる。

 8ゲーム差を2位の安全圏とは思えない現状。1日も早く歯止めを掛けなければ、とんでもない地獄が待っている。

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