「交流戦、日本ハム３-０阪神」（１３日、札幌ド）

　トップバッターの仕事をさせてもらえなかった。「久々に良い投手と対戦したような感じです」と、阪神・西岡は日本ハム・木佐貫に対し、素直に敗北を認めた。その上で「結果を出していかないといけない。きょうは完璧にやられた」と唇をかんだ。

　初回の第１打席、初球のフォークにバットが空を切った。ファーストストライクの打率・４２９とハイアベレージをマークする男が「思った以上に落ちた」と、バットにすら当てられなかった。最後も１３３キロのフォークで空振り三振。以降の打席も、腕を振って投げ込んでくる変化球に手を焼いた。

　相手が良かったと割り切れるゲーム。それでも西岡は「今の姿を一歩下がって見つめ直すと、情けない」と自らを責める。４打数無安打で打率は・２８４へ落ち込んだ。開幕から獅子奮迅の働きでチームを引っ張ってきた。痛めている左足の状態が万全ではなく、蓄積疲労も出てくる時期だが「選手として試合に出ている以上、それは一切、関係ない」とわずかな“甘え”も排除する。

　ただ決して現状を悲観してはいない。「長いシーズン、こういう時期もある。ここであきらめることなく、苦しんで、苦しんで」と語る口調には、前を向く強さがにじんでいた。重圧のかかる移籍１年目、新天地のシーズン。背番号７はもがき、苦しんで復調のきっかけをつかんでいく。