西岡サヨナラ打!桧山敬遠に「燃えた」

 「交流戦、阪神3‐2西武」(5日、倉敷)

 倉敷大好き!同点の九回1死一、三塁から阪神・西岡剛内野手(28)が右中間へ今季2度目となるサヨナラ打を放った。目の前で代打・桧山敬遠の屈辱をバットで晴らしてみせた。追いつき追い越し最後にスカッと勝利。これで倉敷では09年から5連勝。西岡も「シーズンの半分ここでしたら」と好相性を口にした。

 これぞ“鬼迫”の一打‐。そして西岡剛の真骨頂だ。鋭い眼光がマウンド上の大石をとらえる。同点の九回1死一、三塁。カウント1‐1から147キロの直球を一閃(いっせん)だ。打球が右中間に落ちてサヨナラ勝利が決まると、仲間たちと歓喜の輪の中心で笑顔がはじけた。

 「あの場面、桧山さんが歩かされて燃えてましたね」。九回1死三塁。ネクストに構える西岡の眼前で、代打・桧山が敬遠。「僕まで歩かされると思ったんですけど、状態を考えると僕で勝負ということですね」。悔しさがこみ上げる。だが同時に、冷静さは失わなかった。

 速球投手の大石に対し、わずかにバットを寝かせて構えた。水谷チーフ打撃コーチは「速球対策?そういうことやね。あいつは、ああいうことができる」と説明。西岡の目に映っていたのは勝利の2文字、それだけだ。

 「来た球を、気持ちで打つしかないと思っていた」。だが気持ちだけが生んだ劇打ではない。そのための準備、工夫を怠らなかった結果だ。

 この日は、4打席目まで無安打。その中でも試行錯誤を重ねていた。西岡は言う。「2打席目からは、ずっとノーステップで打っていた。打てなかったら、何かを変えないといけない」。最後まで勝利のために手を尽くす。そして逆境でこそ真価を発揮する。その姿が変わることはない。

 ロッテで1軍定着した直後、西岡は2軍との違いを「ファンのため息」と話していた。「それに負けてしまうと、どんどん自分がダメになってしまう。いかにはね返せるか。それが1軍ですね」。この試合でも何度となく聞かれたファンのため息。だが最後には、大歓声に変えてみせた。

 反骨の男‐。ロッテ時代から知る久保も「奔放に見えるが、それで自分に重圧をかけてエネルギーに変えているんです。結果で黙らせてやろうと。ハートは強いですよ」と背番号「7」の勝負強さに信頼を寄せる。

 4月30日の広島戦以来となる適時打。万全ではない左足の状態も「足なんか全然痛くない」と言い訳にしない。目指す場所は先にあるからだ。

 「勝ちだけを目指さないといけない。1試合1試合が、最後に0・5ゲームの差になる。まだ6月という考えではダメなんです」。今年こそ頂点へ‐。この男の言葉には、それを信じさせてくれる力がある。

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