鳥谷シーズンも“奇跡の盗塁”スパイク

 “奇跡の盗塁”を聖地でも決める!阪神・鳥谷敬内野手(31)が、今年から導入しているナイキ社製の超軽量スパイクを、シーズン開幕後の着用を決めたことが11日、分かった。現在開催中のWBCの2次ラウンド・台湾戦で勝負の盗塁を決めた相棒を伴い、甲子園でも猛虎に勝利を呼ぶ走塁を見せるつもりだ。

 新たな相棒が、聖地・甲子園で勝利を呼び込む力を与える。機動力革命を掲げる和田阪神。その思いは、虎のキャプテン・鳥谷も強く感じていた。「大事な場面で1つ先の塁を取れたら、試合の流れも違ってくる。チームとしての役割も意識しながら、狙っていきたい」と、走塁に対する意識の高さを語った。

 昨季中盤から、ナイキ社製の超軽量スパイク「ズーム ヴェイパー エリート SHADO(シャドウ)J」を着用。その中で、メーカー側と自身の理想に合わせた改良を続けてきた。その完成体が、いきなり世界の舞台で威力を発揮した。

 8日のWBC2次ラウンド・台湾戦。1点を追う九回2死から、一走・鳥谷が二盗を敢行。誰もが驚く試み。そこから、延長戦を制しての劇的勝利につながった。

 侍ジャパンをよみがえらせた、まさに“奇跡の盗塁”。これには、本紙評論家・金本知憲氏が「トリもタイガースの試合でああいう盗塁をしてほしい」と熱望。それに応えるように、自身が求めるスピードを体現できる相棒を、シーズンでも着用することを決めた。

 「改良してもらいながら、いいスパイクになった。今季も履いて、しっかり成績を残したい」。阪神ではブラックベースにシルバーのロゴが入ったカラーに変更。中心選手としてフル稼働するために「1年間戦う上で、体への負担は確実に減る」という効果もある。

 10日のオランダ戦では、試合の流れを決める先頭打者本塁打。「3連覇で野球に恩返しがしたい」と決意を示した鳥谷。侍の3連覇。その先に、聖地で疾走する背番号「1」の姿が見られる。

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