藤浪「70点」151キロ聖地デビュー

 「オープン戦、阪神2‐3日本ハム」(9日、甲子園)

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が9日、プロとして初めて甲子園で登板した。高校時代、甲子園春夏連覇を成し遂げた思い出のマウンドで先発し、4回5安打1失点。ピンチでも大崩れせず、最速151キロの直球と多彩な変化球を駆使して2三振も奪った。本拠地デビューを藤浪は「70点」と自己評価した。

 360度、球場全体から降り注いだ大歓声。高校時代、負け知らずの甲子園に藤浪がタテジマを身にまとい帰ってきた。198日ぶりに上がった聖地のマウンド。晴れやかな表情で振り返った。

 「ファンの方が応援してくださって、しびれるというか、すごく楽しかった。甲子園のマウンドはすごく投げやすかった。手応えもあるし課題も見えてきました」と下した自己採点は「70点」。

 初回、先頭・西川の3球目にいきなりこの日最速151キロを記録。「理想に近い投球」で完璧な立ち上がりを見せた。

 だが三回、先頭の大引に初安打を許すと自身の一塁へのけん制球が乱れ、無死三塁に。鶴岡には右前適時打を浴び“プロ初失点”を喫した。1死後も連打を浴び満塁の大ピンチ。一気に崩れてもおかしくない場面だが藤浪は冷静だった。続く新外国人・アブレイユに果敢に勝負を挑み、148キロの直球でバットをへし折った。「いいところに投げられた」と6‐4‐3のダブルプレーで追加点を許さなかった。

 初めて甲子園のマウンドに立ったのは昨年のセンバツ。初戦の花巻東戦が野球人生のターニングポイントになった。その前年の夏、すでにプロ注目だった藤浪は大阪大会決勝・東大阪大柏原戦で先発したが、途中降板でチームはサヨナラ負け。ここ一番で勝ちきれない‐。そんな印象が右腕にはつきまとった。

 しかし、大舞台の初戦では、大谷に本塁打こそ浴びたが、粘りの投球で勝利。担当の畑山スカウトは「あの試合で“負のイメージ”を払しょくした」と振り返る。

 あれから1年。聖地プロ初登板は4回5安打1失点2奪三振だった。「4回1失点はまずまず。走者を出してもバタバタしていなかった」と和田監督は合格点を与えた。この日は61球で、中西投手コーチは「(次回は)80球ぐらい」と球数を増やしていく方針だ。

 ネット裏にはセ・リーグ5球団など多くのスコアラーが集結。開幕カードの中日・筒井スコアラーは「球威もあってコントロールもまとまっていた。開幕ローテに入ってくるでしょう」と警戒を強めた。実戦を重ねるごとに真価を発揮する黄金ルーキー。ステップアップを重ね、開幕ローテに突き進む。

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