阿覧が引退「力も気持ちも入らない」

 大相撲の元関脇で東前頭7枚目の阿覧(29)=春日野=が8日、日本相撲協会に引退届を提出した。東京・両国国技館で会見し「体調が良くない。体がやせて、力も気持ちも入らない」と理由を説明した。

 先場所限りの三保ケ関部屋閉鎖で、心は完全に折れた。春日野部屋に転籍したが「1年半くらい前から辞めたかった」と吐露。体重は新関脇の10年秋場所と比べ、約30キロ減の130キロほどになっていた。前師匠の三保ケ関親方(元大関増位山)も「頑張れと言い続けたが…。もうそろそろかな」と慰留を断念した。

 3勝に終わった先場所千秋楽に「もうダメ。フィニッシュ」と引退を示唆した阿覧。既に家族は母国ロシアに引き揚げさせた。自身も近日中に帰国予定で、断髪式は未定。寂しげに「今日で本当にフィニッシュ」と笑った。今後はホテル経営など、母国で実業家の道を進む。

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