「大相撲名古屋場所１３日目」（１９日、愛知県体育館）

　戦う男の闘争心が心の底から湧き上がった。土俵上は男の戦いの場だ。負けたらどうしようと心配して、萎縮する場ではない。立ち合い日馬富士のこん身の当たりを気迫ではね返した。自然体を取り戻せば体も動く。左の効果的なおっつけで横綱を追い詰め、最後は巨体を利してあびせ倒した。

　「思い切っていこうとそれだけでした。体もよく動いた」。前日、北の湖理事長が引いた綱再挑戦のラインは両横綱を倒しての１２勝。それを飛び越えれば来場所また綱とりに挑戦できる。その前に立ちはだかる大きな壁が１４日目に当たる白鵬。稀勢の里は３年前に白鵬の連勝を６３で止めた実績がある。「３年前とは全然違うと思うけど、連勝を止める気持ちでやることをやるだけです」。今度こそチャンスは逃さない。