稀勢の里が“くせ者”時天空を正面突破

 「大相撲名古屋場所2日目」(8日、愛知県体育館)

 稀勢の里が“くせ者”をクリアした。けた繰りや立ち合いの変化を度々出す時天空が相手。意外にも正面からぶつかり合い、左を差して押し込んでからの右上手投げで転がした。大関は「ああいう展開でビックリした」としながらも、無難な連勝発進にうなずいた。

 3日目の相手は三役常連の栃煌山。今月1日に春日野部屋に出稽古した際は18番取り、7勝11敗と苦戦し「全然ダメでした」とうなだれた難敵。北の湖理事長(元横綱)はこの日「立ち合いの勢いが、先場所よりはない」と危惧した。本調子でないだけに、綱とりへ最初の難関だ。

 序盤戦の黒星は昇進ムードに水を差すだけに、稀勢の里は「体はいい状態だと思います。緊張感がある。これからですね」と、静かに闘志を口にした。

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