稀勢の里、綱とり名古屋で決める

 「大相撲名古屋場所」(7日初日、愛知県体育館)

 大相撲名古屋場所初日を翌日に控えた6日、会場の愛知県体育館で土俵祭りが行われ、自身初の綱とりがかかる大関稀勢の里(27)=鳴戸=が悲願の初優勝と最高位へ、静かに闘志を高めた。一昨年11月に急逝した亡き師匠、先代鳴戸親方(元横綱隆の里)が30年前に横綱昇進を決めた名古屋で、1998年の3代目若乃花以来、15年ぶりの和製横綱誕生を狙う。

 稀勢の里はじっと前を向いて土俵を見つめた。土俵祭りを終えると、「いい感じです。(普段と)変わりはない。やるべきことをやったつもりです」と表情を変えず、静かに闘志を燃やした。

 先場所は全勝優勝の白鵬に対して13勝2敗。北の湖理事長(元横綱)は「優勝が大事。11、12勝の優勝では厳しい。序盤を乗り越えてほしい」と期待。昇進ノルマを13勝以上の優勝とし、取りこぼしに注意を促した。

 場所前は境川部屋、春日野部屋へ出稽古を行った。今月に入ると稽古での疲労が目立ち、不安をのぞかせた。それでも「暑くなってきた。体調を壊さないよう、規則正しい生活を送りたい」と自然体を強調。場所中は外出を控え、恒例の禁酒を行う方針だ。

 先代鳴戸親方の隆の里は、大関時代の83年夏場所を13勝2敗、名古屋は14勝1敗で優勝(2度目)して、横綱昇進を決めた。先代が封じた出稽古は先場所前から解禁したが、「心臓から汗をかけ」の教えは今も守り続けている。初土俵からの11年を「とにかくガムシャラにやってきた」と振り返る稀勢の里。猛稽古を結実させ、先代の軌跡を再現する。

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