稀勢の里、綱とりへ無難に白星発進

 「大相撲名古屋場所初日」(7日、愛知県体育館)

 しびれるようなプレッシャーを受けながらも、稀勢の里が豪風をきっちり下して大事な綱とり場所の初日を白星で飾った。十分に腰を割りながら、相手と呼吸が合わず2度の待った。館内がややどよめく中で3度目の立ち合い。右から張っていったが、低い体勢の豪風を強引に右から抱えて出た。

 何とかかき回そうとする豪風の動きを左腕をロックして止めると、あとは正面寄りに押し出すだけ。「慌てる必要はないと思いました。(相手の動きに)付いていけたし、一日一日積み重ねて、明日からも集中してやるのが一番ですから」と支度部屋では落ち着いた表情で振り返った。

 負けられない理由もあった。館内には故郷の茨城県牛久市から郷土後援会のメンバー30人が、早朝6時30分にバスで出発して応援に駆け付けた。元人間国宝の彫刻家である平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)が好んで使った“今やらねば いつできる!”という言葉の横断幕を掲げて声援を送っていたのだ。「わざわざ遠いところを来てくれてありがたい」と稀勢の里も白星で応えてみせた。

 北の湖理事長(元横綱)も、「何といっても初日、2日目が大事。あとはスムーズに体が動いてくる」とプレッシャーをはねのけての白星発進を評価。悲願の横綱昇進へ、無心で戦い続けていく。

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