クマに襲われ大き過ぎる「傷」 募る後悔、5回手術も日常戻らず

 クマに襲われた「傷」はあまりにも大きかった。秋田県仙北市角館町の千葉清美さん(63)は昨秋、下顎を爪で引っかかれ、重傷を負った。食事や会話など日常生活に支障を来し、元の状態に戻る可能性はない。「悔しい」。被害者が少しでも減るよう対策の徹底を訴える。

 昨年9月26日早朝、千葉さんは愛犬の散歩に出かけた。自宅裏の空き地で何かと目が合った。「これがクマか」と気づいたときには、7~8メートル先から全速力で向かってきた。とっさに左足で蹴ったが、2本足で立ち上がり鋭い爪で攻撃された。

 体長は1メートル余り。手で頭を覆う防御姿勢を取ると、気配が消えた。顎に激痛が走り、周辺の皮膚が垂れ下がっているのが分かった。自力で自宅に戻り、家族が119番。喉に血が流れていく感覚は今も覚えている。これまで全身麻酔の手術を5回受け、12時間に及んだことも。人と会うときはマスクが欠かせなくなった。

 クマ被害のニュースで「命に別条はない」と報じられても、実際は千葉さんのように何度も手術が必要な大けがを負っているケースも多い。

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