エッ、これが下書き一切なし?筆1本だけ? 車体に美文字を書く看板職人の神業に88万いいね「ただただ美しい」
看板職人が、迷いのない手つきで白い車体に文字を書いていきます。下書きなしで文字を書き上げる職人技を収めたYouTube動画に、88万件を超える「いいね」が集まり、「完全にシールだと思ってた」「職人芸に脱帽、ただただ美しい」との声が寄せられています。
動画を投稿したのは、大阪府南部の泉州地域で看板屋「サインズシュウ」を営むshu kanba(@signsshu)さん。
きっかけは、昔の手書き文字が片側だけに残る車両について、「反対側もまったく同じ仕様(手書き)にしてほしい」と依頼を受けたことでした。手書き看板が激減した現代に、わざわざ自分の店を探して依頼をしてくれたことについて、shuさんは「良くぞ探して頂いたという気分です。職人冥利に尽きる依頼です」と振り返ります。
書き上げたのは「岸和田市立図書館」の文字。元の手書き文字にある程度似せて書いたそうです。書体は、看板屋にとって一番書きやすいという丸ゴシック体です。使うのはイタチ毛の筆。塗料の薄め具合を調整し、きれいな丸みが出るように書いていきます。
動画では、下書きの線が一本も引かれていません。全体のバランスや配置について尋ねると、shuさん自身も、「自分でも分かりません」とのこと。「皆が自分の名前を書く時に、下書きなどせずにマジックで書けるのと同じ様な感覚です。多くの文字を物凄い回数繰り返し書いた結果です」と話します。
独特の書き順にも理由があるそうです。「先に収めておいた方が得策な線や、均等に収める為に、変な書き順になってる事が有ります。全ては均等なバランスをとる為です」とshuさんは説明します。
手書きにこだわる理由は、時間が経ったあとの姿にあるといいます。shuさんによると、現代の主流であるカッティングシートやデジタルプリントは、新品から数年は発色がきれいな一方、7~8年後に劣化が始まると朽ちてしまうといいます。「手書きしたものは、劣化が早くから始まる割に進行がとても遅いので、20年経っても良い味わいのまま残るんです。お店が『老舗』っぽく化粧されていく感じというか。近代技術を使った看板では老舗感を出すのは不可能だと思います」と話します。
かつて台湾の高雄で文字を書いた際、凄まじい人だかりと熱気に包まれ、今でも忘れられないといいます。今後については、「身体が動くうちに、もっともっといろんな場所から声がかかればいいですね」と笑顔を見せます。
最後に、「かつて、こういう技術で生計を立てていた職人が多く存在していたことを知ってほしい。そして、パソコンを介さない『仕上がりの予想図が存在しない世界』のワクワクする楽しさを、動画を通じて感じてもらえたら嬉しいです」とメッセージを寄せました。
【shu kanbaさんのSNS】
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