働く女性の4人に1人が「酷暑退職」を考えたことがある!? 「疲れやすい」「通勤がつらい」暑い夏、理想の働き方は?
連日の猛暑や酷暑が続く中、過酷な暑さはもはや単なる季節の問題にとどまらず、私たちのキャリアや働き方に深刻な影響を及ぼしています。女性向けキャリアスクール『SHElikes(シーライクス)』を運営するSHE株式会社(東京都港区)は、このほど「酷暑時代の女性の働き方白書」を公開しました。同白書からは過酷な暑さに直面する女性たちの切実なリアルと、今後到来する「40℃時代」の働き方予測が浮き彫りになっています。
調査は、同スクールを受講する20~60代の女性235人を対象として、2026年6月~7月の期間にインターネットで実施されました。
調査によると、働く女性の91.9%が夏の暑さによる「働きづらさを感じている」と回答。さらに89.3%が仕事の「パフォーマンス低下」を自覚していることが分かりました。
特に大きな負担となっているのがと「疲れやすさ」(170人)と「通勤のつらさ」(164人)です。
自由回答からは、「オフィスに着く頃には体力が残っていない」「日傘やハンディファンなどで荷物が重くなる」「汗をかいた状態で冷え切ったオフィスに入り、体調を崩した」などの声が寄せられ、通勤時の過酷な移動やオフィスとの寒暖差が日中の業務に影響を及ぼし続ける悪循環が生じていることがうかがえました。
さらに驚くべきことに、4人に1人が「暑さを理由とした退職・転職を考えたことがある、または身近で見聞きした」(25.0%)と回答しました。いわゆる「酷暑退職」が、決して他人事ではない現実に迫りつつあります。
一方で、勤務先による「暑さ対策やサポート制度はない」と答えた人は57.7%、「あるが十分ではない」(18.3%)を合わせると約7割にのぼり、企業側のサポート不足が、離職リスクを押し上げている実態が明らかになりました。
また、夏の働きづらさについて、「改善したい」と考える人は71.4%に達した一方で、「実際に働き方や環境を変えたい」(32.9%)と回答した人は約3人に1人にとどまり、改善を望みながらも、現実的なハードルを感じている人が少なくない実態が浮き彫りとなりました。
「夏季限定で実現したい働き方」としては、「フルリモート勤務」(108人)が最多となり、暑さに応じて自分で働く場所を選べる環境へのニーズの高さも明らかになりました。
■「40℃時代」の働き方予測
日本の夏は年々過酷さを増し、危険な暑さが当たり前になりつつあります。もし、日本で40℃級の猛暑が日常となったら、私たちの働き方はどのように変わるのでしょうか。
本調査では、海外の制度や取り組みをヒントに、「40℃時代」の日本の働き方を独自予測しています。
▽気温シフト制社会へ。昼間に副業をする人が続出
暑い昼間(11:00~16:00)を避け、早朝と夕方に働く「気温シフト制」が定着。空いた昼の時間を副業やリスキリングに充てるスタイルが一般化する。
▽夏季限定で働く場所を変える「避暑地ワーク」が普及
夏季限定で涼しい地域へ移住して働くワーケーションや、企業による「サマーオフィス」の開設が標準化。
▽「暑さ手当」が福利厚生の新定番に
在宅勤務時の冷房代補助や冷感グッズの支給など、「暑さ手当」を支給する企業が増加。就職・転職時の判断軸にも変化が生まれる。
▽「コクハラ(酷暑ハラスメント)」という言葉が誕生
危険な暑さの中で無理な出社や屋外労働を強制することが、ハラスメントとして認識されるように。
▽「地下オフィス街」ブームが到来
日当たりよりも「地下直結・空調効率」が重視され、地上に出ずに快適に仕事・生活が完結する地下オフィス街が形成される。
なお、夏の過酷な暑さに合わせて働き方を工夫している女性たちの取り組みは、大きく以下の3つのタイプに分類されました。
1.自由度の高い働き方(フリーランスなど)
働く時間や場所を自分で調整できる環境を選ぶことで、暑さによる負担を軽減しているケース。
「フリーランスになり、自分の体調などに合わせたリモートワークができるようになった」「夕方から夜にかけて活動している」
2.リモートワーク・ハイブリッド勤務
通勤による暑さを避け、自分に合った環境で働く工夫を実践しているケース。
「在宅勤務ができる部署に異動となり、リモートワークができるようになった。おかげで自分に合った環境で快適にリモートワークができるようになった」「リモートと通勤を混合して気分転換するようにしている。どちらかだけよりも気持ちが楽です」
3.涼しい時間帯に出勤
フレックスタイムなどを活用し、暑さのピークを避けて移動するケース。
「出社する際は、なるべく朝早めの涼しい時間に出社するようにしていました」「フレックスを使い、朝早めに出社することで、まだ日差しが本格的ではない時間に外を歩くようにしている」
酷暑時代において業務成果を維持・向上させるためには、気候変動に合わせて働く時間や場所を柔軟にコントロールする「環境適応スキル」が欠かせません。
同時に企業側にとっても、個人の努力や我慢に依存するのではなく、リモートワークの推進やフレックス制度の拡充、光熱費補助といった環境整備を整えることが、優秀な人材の確保・定着における重要なカギとなりそうです。
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【出典】
▽SHE株式会社 調べ
