2024年、3匹のキジトラ猫と暮らすXユーザーのキジあにゃさん（@anyako220）夫婦に新たなご縁が訪れました。同じくキジトラの男の子「くれお」くん（男の子）です。普段は「れんれん」くんという愛称で呼ばれています。れんれんくんとの出会いは、まさに“キジトラ猫が運んだ運命”のようでした。

■犬派の夫も陥落　予想外の展開で出会った子猫

すでに3匹のキジトラ猫と暮らしていた飼い主さん夫婦のもとに、「母娘猫を保護したので、預かってみませんか？」と声がかかったのが始まりでした。迎えたのは「めろん」ちゃん。しかし、めろんちゃんが母猫にべったりになりすぎて母猫が疲れてしまい、保護団体に戻ることに。めろんちゃんだけが残り、正式に家族として迎え入れました。

すると今度は、母親代わりとなった「らんらん」ちゃんをめろんちゃんが追い回すようになってしまい、らんらんちゃんがグッタリ…。そんな悩みを相談したところ、保護団体から「もう1匹いれば遊び相手になって落ち着くかもしれません」と提案されました。

「そのとき『今日、茶トラの子猫を保護したんですよ』とも言われたんです。でも、実家で茶トラの子と悲しいお別れをしたばかりで、まだ気持ちの整理がついていなかったんです。それに、もう3匹もいるし…と迷ってしまって」

そこで、あくまでお断り前提で伝えた言葉が思わぬ展開を生みます。

「『キジトラの男の子なら…』と返したら、すぐに『います！よその団体さんのところにいます！』って。保健所から引き出された子の動画まで送られてきたんです」

心が大きく動いた瞬間でした。

実は、飼い主さん夫婦は「子育てが落ち着いたら猫と暮らそう」と話し合い、マンションから戸建てに引っ越しをしました。もともと犬派だった夫に相談してみると…。

「『いいんじゃない？』って、目尻のしわがくしゃってなるくらいの笑顔で言ってくれたんです」

そうして家に迎えることになったのが、生後3か月のれんれんくん。保健所から引き出されたばかりで、毛はまだゴワゴワ、まるで小さな毛玉のようだったといいます。

■先住猫のシャーシャー洗礼にも負けず、堂々“家猫”デビュー

初対面のれんれんくんに対し、先住の姉猫たちは大騒ぎ。『男の子！？』『なにこの子！』と、威嚇の嵐だったそうです。

「でも、れんれんは全然動じなくて、ずんずん家の中を探検してました」

初めての食事も、かなりの迫力だったそう。

「『食べたことあるかな？ よかったらどうぞ？』ってウェットフードを出したら、ガウガウ唸りながら食べ始めて…お尻の匂いをかがれても気にせず（笑）」

そして寝る場所を探していたれんれんくんは、ふかふかした場所を見つけて「ここ！ ふわふわ！ ここで寝ます！」と当然のように横になるものの、またしても姉猫に「そこは私の場所よ！」と怒られてしまったとか。

「きっと、保護されるまで厳しい状況だったんだろうと思います。『何日も前から猫がいる』と通報されて、ようやくグッタリしたところを捕獲されたと聞きましたから。れんれん自身も『最初が肝心！ 舐められたらダメ！』って、気を張っていたのかもしれません」

そして迎えた初めての夜。れんれんくんが選んだ寝床は…。

「なんと私の枕元！あっという間に、私たちはれんれんの虜になっていました」

■遊び相手に…と思いきや、やんちゃな子が増えただけ！？

現在、1歳を迎えたれんれんくん。性格はまさに“デレデレのデレ”。甘え上手で、飼い主さんの心を完全に掌握しています。

「『にゃっ！』って鳴けば抱っこしてもらえるし、撫でてもらえるってすぐに覚えて…。嬉しくなると肛門腺臭を出しちゃうので、『嬉プー太郎』と呼んでます（笑）」

姉猫たちにも、めげずに遊びに誘い続け、少しずつ受け入れてもらえるようになりました。

「めろんの遊び相手に、らんらんのストーカー防止に…と思ってお迎えしたのに、結果“悪い子ちゃん”が増えただけでした（笑）」

この話を保護団体に報告すると、大笑いされたそうです。

■「ずっと一緒に」そう誓える子に出会えた喜び

お迎え後、飼い主さんは毎日のように写真付きで近況を団体に報告。その中で、団体から届いたメッセージが胸に残っているといいます。

「『いい人を紹介してもらえて良かった。れんれんは最初からそのお家に行く運命だったんだと思います』って言っていただけて…。とても嬉しかったです」

飼い主さんがれんれんくんに伝えたい言葉は、毎日変わりません。

「『うちに来てくれてありがとうね。うちでよかった？ なにか言いたいことはある？ ずっとずっと一緒にいようね』って。甘え上手で人たらしで…メロメロです。かわいくてたまりません」

（まいどなニュース特約・梨木 香奈）