捨てられていた生後1カ月の猫→ひと晩しっかり考えて決心 警戒心むき出しだったのに今は…すっかりお嬢様

今から10年前、Xユーザーのまりてつさん(@marie_mamachan)は、生後約1カ月の子猫と出会いました。名前は「マリー」ちゃん(女の子)。それは、ある日突然届いた知らせがきっかけでした。

「親子の猫が捨てられていると知人から聞き、急いで駆けつけました。そこにいたのが、父猫と3匹の子猫たち。その中にマリーがいました」

すでに「猫を迎えるなら保護猫を」と考えていた飼い主さん。しかしその日は、連れて帰らずに一度立ち止まります。

「迷いはなかったのですが、気持ちを整理するために一晩考えることにしたんです。でも、朝になっても心は変わりませんでした。『やっぱり保護したい』って思いが、どんどん強くなっていて」

こうしてマリーちゃんは、家族として迎えられることになりました。のちに父猫、母猫、そして2匹の子猫もそれぞれ優しいご家庭に引き取られ、すべての命に新たなスタートが訪れました。

■ご飯を拒んだ初日、まさかの“ガブリ”!?

新しい環境に不安を感じたのか、マリーちゃんは初日から警戒心をむき出しにしていました。

「家に着いてすぐ、どこかへ隠れてしまって…ご飯も食べようとしなかったんです。心配で手からあげようとしたら、思いきり噛まれてしまいました」

けれど飼い主さんは、そんな反応すら自然なこととして受け止めました。知らない人、知らない場所、警戒するのも当然。マリーちゃんに寄り添わなくてはいけないと考えたのです。

「それからはマリーのペースを第一に考えようと決めました。無理に触らない、追いかけない、大きな音を出さない。できることを全部やりました」

その日から少しずつ、マリーちゃんの目に「安心」が宿っていったのです。

■大きな音にも動じない! たくましいレディに

マリーちゃんは、現在10歳を迎えました。飼い主さん家族の愛情を一身に受けて、ツン多め、デレ少しのマイペースな女の子になったそう。

「たまにしか甘えてこないので、マリーの甘えん坊スイッチが入ると家族全員がメロメロになってしまいます」

かつての不安げな姿からは想像できないほど、落ち着いてのびのびと日々を過ごしています。

「本当に元気です。過去に体調を崩したこともあるので、今の健康がすごくありがたいですね。お薬も嫌がらずに飲んでくれるし、爪切りや歯磨きもさせてくれる。“肝の据わったお嬢様”という感じです」

■弟猫に甘えられてたじたじ…にぎやかな日常がスタート

そんなマリーちゃんのもとに、後からやってきたのが元保護猫のてつおくん。てつおくんはマリーちゃんのことが大好きで、四六時中そばにいたいタイプです。

「てつおは、マリーのことが大好き。でも、加減がわからないんです。マリーを毛づくろいしてるかと思ったら、勢いあまってガブっと噛んだり、追いかけ回したり…。いつも注意して見守っています」

そのため、現在は“半別居”というユニークな暮らし方を実践中です。

「私たちが家を空けるときは、別の部屋で過ごしてもらうようにしました。人間がいるときだけ、一緒の空間でふたりを見守るようにしています。最初はどうなることかと思いましたが、今では猫も人間もこの生活に慣れて、うまくバランスが取れるようになりました」

■「生きていてくれてありがとう」 出会いに感謝する日々

マリーちゃんとてつおくん、ふたりがいてくれることで飼い主さん家族は日々、穏やかに過ごせるように。「この子たちのおかげです」と語っています。

「猫たちは、計算もなく、まっすぐに私たちに接してくれて…そんな姿から本当にたくさんのことを学びました」

思いがけない出会いから、家族になったマリーちゃんとてつおくん。飼い主さんは、ふたりがご飯を食べてい姿を見るだけでうれしくてたまらない気持ちになるといいます。

「喉をゴロゴロ鳴らして甘えてくれる、それだけで幸せになります。『生きていてくれてありがとう』と感謝の気持ちでいっぱいです。ふたりには、長生きしてほしい。そして『そばにいてくれてありがとう』と伝えたいです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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