「もうちょっと頑張ることになりました」E4系新幹線から「旅立つみんなへ」贈る言葉が泣ける

 春は別れと旅立ちの季節。新型コロナウイルスの感染拡大で、卒業式が縮小されたり中止になったりしている学校もある中、JR新潟駅のコンコース内のモニターに映し出されたE4系「マックスとき」からの「贈る言葉」が「泣ける」と話題になっています。

 贈る言葉は4画面つづり(?)で、黒板をイメージした背景に、チョークのような字で、日直は上越新幹線「Maxとき」くん。メッセージは「新潟から旅立つみんなへ」で始まり、「実はボク…あと一年で引退する予定だったけど、もうちょっと頑張ることになりました」と身の上を明かした上で、「新潟が懐かしくなったり、美味しいものが食べたくなったりしたら、また乗ってください」「ふるさと新潟でまた会える日を待っています」エールを送り、最後に「それでは、いってらっしゃい」を見送ってくれます。

 E4系はJR東日本が1997年に運用開始したオール2階建て新幹線。航空機のようなキャノピー型の運転席が特徴。8両編成2本を連結した16両編成時の定員1634名は、高速車両としては世界最大の定員を誇り、東北新幹線と上越・長野新幹線に投入されました。

 その後、東北・長野新幹線からは引退し、現在は上越新幹線の「Maxとき」「Maxたにがわ」として16編成が運用。E7系の登場も受け、2020年で引退する予定でしたが、昨年の台風でE7系W7系計10本が浸水し廃車になった影響もあり、当面の間運用が続く予定といいます。

 JR東日本新潟支社広報部によると、贈る言葉は「いつから始まったかは分かりませんが、例年、受験や卒業、入学などに合わせ、駅の取り組みで掲出しており、今回もその一環」とのこと。若手やベテランまでの世代で作るチームで考えており、「上越新幹線でしか走っていない列車で、社員たちも愛着があり、駅や列車に親しみを持ってもらえたら」と、E4系を主人公に仕立てたそうです。

 「いつもご利用いただくお客さまへ、社員からの感謝のメッセージを届けたくて考えました。新幹線があることもあり、新潟では首都圏に進学する人も多く、就職となるともっと多いかもしれません。弊社にも学生時代は首都圏で過ごし、就職で新潟に戻ってきた若手もいます。そんな経験から、新潟から巣立っていく方々の気持ちを想像し、エールの気持ちを伝えたいと思いました」と同支社の広報担当者。

 たとえ遠く離れて暮らしても、生まれ育ったふるさとはやっぱり、ふるさと。贈る言葉はSNS上では「泣ける」「ものすごく心が温まる」と話題を呼んでいます。

 「多くのお客さまの目に留まり、話題にしていただけるのは素直にうれしいことです。なかなかすべてのお客さまと直接お話することは難しいですが、気持ちが少しでも伝われば」と担当者。

 とはいえ、今年中の引退はなくなったものの、あと何年かしたら姿を消してしまうのはきっと避けられない未来。沿線の方も、新潟を訪れたことのない方も、今のうちに大っきくてかわいいマックス君に乗って新潟を訪れてみては?

(まいどなニュース・広畑 千春)

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