沢尻騒動で撮り直しの大河ドラマ 放送延期でゆかりの地にも影響?思わぬ逆転現象も

 こんなところにも“沢尻余波”が及んでいるとは…。謎の多い戦国武将、明智光秀にスポットライトを当てた来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、出演予定だった沢尻エリカ被告が麻薬取締法違反の罪で逮捕、起訴されたため、代役を立てての撮り直しが必要となった。そのせいで初回放送日が1月5日から19日に延期となったわけだが、ドラマにゆかりのある自治体にも少なからず影響があるようだ。

 今も昔も「大河ドラマ」といえば、その地域の観光や産業といった魅力を全国に発信し、活性化につなげるまたとないチャンス。そのため、当然のようにドラマ前半の舞台となる岐阜県の岐阜、可児、恵那の3市も「大河ドラマ館」を設置し、観光誘致に力を入れている。

 その中のひとつ、岐阜市では今年4月、商工観光部に「岐阜市大河ドラマ推進課」を設け、課長級の職員を配置して6人でスタート。現在は年明けのドラマ館オープンに向けて近藤武彦主査らが追い込み作業に入っている。そんな中で降って沸いたのが今回の“沢尻騒動”だった。何か影響はあったのだろうか?素朴な疑問を担当者にぶつけてみました。

 -放送前に何やらドタバタしましたね。ぶっちゃけ、その影響は。

 「放送日は2週間ずれ込むことになりましたが、ドラマ館は予定通り1月11日開館を目指しています。場所は金華山のふもとの岐阜公園内にある『岐阜市歴史博物館』になります。今回は放送のスタートよりドラマ館の方が先に始まる形になりますね」

 -なんと、まさかの“逆転現象”ですね。あと可児、恵那もドラマ館を設けるとか。

 「岐阜県下で3カ所。それ以外にも京都の亀岡、福知山、滋賀県の大津と合計で6カ所も設けられる。これは大河史上で一番多いのではないでしょうか」

 -史上最多ですか。そうなると各所で展示するものが足りなくなるのでは?

 「NHKからお借りするのですが、ドラマで使われた衣装や小道具、メーキング映像などが中心になります。期間を設けて、展示物を巡回させることになるでしょう」

 -岐阜は戦国武将ゆかりの地として知られてますよね。他に試みることはあるんですか。

 「金華山のロープウェイのりばと山頂の岐阜城にも展示して、周遊していただこうと考えています。ロープウェイのりばは斎藤道三、城は織田信長のものになります」

 -ともに大河ドラマの主人公になってますね。

 「岐阜を舞台にして過去ドラマになった『国盗り物語』や『信長』の映像を流したり、金華山の史跡調査の内容や信長が建てた4つの城の比較なども展示します。私個人は斎藤道三さんが好きなんですが」

 -そもそも明智光秀と岐阜との関係は。

 「若いころの記録がほとんどなく、謎に包まれた武将です。果たして、どこで生まれたのか。岐阜ではあるようですが、その分、いろいろな想像ができるのではないでしょうか」

 -せっかくなら、たくさんの方にドラマ館を訪れてほしいですね。

 「(動員は)50万人を見込んでいます。年明けには東京、大阪でPRイベントを実施する予定です。ドラマの後半は舞台が京都に移るので、もう一度岐阜に足を運んでもらえるようなアイデアも考えないといけない。夏には長良川の鵜飼いもあるので、盛り上げていければ。大切なのは一過性で終わらせるのではなく、何を残せるか、その点に力を入れています」

 -最後に個人的に気になっていることが…。「麒麟がくる」の麒麟って何でしょう。

 「観てのお楽しみなんでしょう。私たちは年明けに向けて全力投球です」

  ◇  ◇

 よくよくお話を聞いたところ、騒動で多少はドタバタしたそうですが、放送開始とドラマ館のスタートとの“ズレ”は生じたものの、今のところ準備は予定通りに進んでいるとのこと。担当者さんの様子からも察するに、影響は最小限に抑えられたみたいです。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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