くまモンが東京の銭湯とコラボ 熊本県の“切り札”で全国発信

 柏原竜二さん(右)らとランニング前の準備体操をする「くまモン」=東京・墨田区の業平公園
 郷里の英雄・金栗四三を意識したポーズをとる「くまモン」=東京・墨田区の業平公園
 銭湯に描かれた「くまモン」などのペンキ画=東京・墨田区の大黒湯
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 土曜日の昼下がり、東京の下町を散歩していると、スカイツリーが見える公園で「くまモン」が体操しているではないか。確認すると、正真正銘、全国的な知名度を誇る熊本県のマスコットキャラクターに相違なかった。

 実はこの光景、2月6日から3月4日まで熊本県が東京・墨田区の銭湯「押上温泉 大黒湯」とコラボしている企画の一環で、23日に行われた「くまモン ランニングDay」の一幕だった。「ここで会ったが百年目」(めったにない好機)というわけで、くまモンを直撃して企画の背景やその成果を聞いた。

 くまモンが着るレトロな運動着の胸には、右から「金栗」と横書きされた文字が…。そう、熊本が生んだ日本初の五輪マラソン選手にして、現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん」で六代目中村勘九郎が演じている主役の一人である金栗四三へのオマージュを捧げていたのだ。

 この日は2回に分けて計100人の一般ランナーが参加。箱根駅伝で「山の神」として活躍し、「金栗四三杯」を3度も受賞したという縁がある元東洋大陸上部員の柏原竜二さんと共に「くまモン体操」でウォーミングアップしてから大黒湯周辺をランニングし、熊本特産のイチゴ「ゆうべに」を試食して銭湯で汗を流した。くまモンは入浴しなかったものの、参加者を見送りし、ハグや記念撮影に応じるなどサービス精神を発揮していた。

 「銭湯がいま若者の間でブームになっている。ランナーも多く来られる。この両者に発信したい。外国人観光客にも」と語るのは、くまモンに代わって、取材対応いただいた熊本県知事公室広報グループの担当者。2016年の熊本地震からの復興に対する支援への感謝を込め、昨年、東京・赤坂で期間限定オープンした「スナックくまちゃん」に続く首都圏でのイベントだ。

 「スナックでは高年齢の方が1~2時間ほど過ごされましたが、銭湯はファミリー層の方も含めていろんな世代の方がお風呂につかり、熊本ゆかりの絵を和みながら見て過ごせます」とPRした。

 そこで、記者も460円の入浴券を自販機で購入して湯船に浸かった。国内で3人だけといわれる30代の若き銭湯絵師・田中みずきさんが手掛けたペンキ絵には阿蘇五岳がそびえ、その手前にくまモンや金栗四三、熊本の名所や特産物が描かれている。看板や内装、風呂おけに至るまで、くまモンキャラであふれ、熊本県産の飲料なども販売されている。

 大黒湯の店主・新保卓也さんは「全体的に2割ほど増えました。特に30~40代の女性客が増えましたね」と“くまモン効果”を明かす。熊本県の担当者は「震災にご支援いただいたお礼として首都圏でのイベントは来年以降も続けていきたい」と明言。地方から首都圏を経由して全国に発信するという熊本県のノウハウは、くまモンという全国区の“スター”あってこそだ。(デイリースポーツ・北村泰介)

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