日本代表のカタールW杯での激闘が幕を閉じた。1次リーグで優勝経験国のドイツ、スペインを撃破し、世界を驚かせた一方、史上初の8強には、またも一歩届かなかった。デイリースポーツでは「森保JAPAN 高かった8強の壁」と題し、3回連載でサムライブルーの舞台裏に迫る。第3回はボール保持率と勝敗の関係性と、そこから見える4年後の方向性について。
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ボール保持率と勝敗の関係に日本の特徴が顕著に表れた。保持率24%のドイツ戦、同17%のスペイン戦には勝利し、同47%のコスタリカ戦には敗れた。
守備を固め、ボールを奪った瞬間に逆襲へ転じる「リアクション」に徹した場合、攻撃も効力を発揮したが、保持率で相手を上回る「アクション」の側に回ると、攻撃は途端に手詰まりとなった。
クロアチア戦の保持率は36%に上ったが、日本の傾向を見透かした相手が時間帯によって日本にボールを“押しつけた”側面もあった。日本がボールを握る展開をいかにして勝利に結び付けるか。明白な課題が残った。
守田は「強豪国と戦っていくためには自分たちから主体的にサッカーをする必要がある」と語り、冨安も「欲を言えば、僕たちが主導権を握って勝てるようになれれば、次のステップに進むことができる」と説いた。主力を担った鎌田は「今のやり方で戦ったとしても、先はない」と複雑な思いを吐き出した。
サッカーがボールを扱うゲームである以上、ボールを保持したいという欲求は選手の本能的な部分でもある。だからと言ってボールを保持した主体的なサッカー“だけ”を目指すということではない。今大会のように、愚直な守備からのカウンターを基盤に16強入りした2010年南アフリカ大会の反動で、14年ブラジル大会は攻撃に重心を置き、流動的な連係を模索した「自分たちのサッカー」を掲げたが、結果は1勝もできずに終わった。
現代サッカーにおいて、一つのスタイルで勝ち続けることは容易ではない。ボール保持を貫くスペインも2大会連続16強で姿を消している。「堅守速攻(カウンター)」と「ボール保持(ポゼッション)」を対立軸で語ってはならない。
森保監督が目指した「戦術の使い分け」を否定することなく、選手の特長や相手との力関係で幅広い戦い方を身につけていく必要がある。守田は「プラン(戦術)に選択肢がある中で、その時々でベストな戦い方を持っておくべき。そのための4年間であるべき」と総括した。4年後の方向性は見えている。