「ロシアＷ杯・３位決定戦、ベルギー２－０イングランド」（１４日、サンクトペテルブルク）

　３位決定戦でベルギーがイングランドに２－０で快勝して３位を確保し、１９８６年大会の４位を上回る史上最高成績を残した。イングランドは９０年に続き、３位決定戦で敗れた。前半４分にＭＦトーマス・ムニエ（２６）＝パリ・サンジェルマン＝が先制したベルギーはイングランドの反撃をしのぎ、後半３７分にＭＦエデン・アザール（２７）＝チェルシー＝の今大会３ゴール目で突き放した。

　最後まで自分たちのスタイルを貫き通した。縦に速く、鋭く切り込み、一瞬にしてゴールを奪う。今大会Ｎｏ．１と評してもいい速攻力で、ベルギーが初の３位に輝いた。司令塔のＭＦデブルイネは「満足できる大会になった。多くの人が僕らのサッカーを楽しんでくれたと思う」と穏やかに笑う。多士済々の「赤い悪魔」がロシアの地で確かな足跡を残した。

　決勝トーナメント１回戦で日本を葬り去った高速カウンターがまたもさく裂した。

　開始４分、ＧＫクルトワのキックをＭＦシャドリが頭で落とし、中央のＦＷルカクから左に展開。シャドリの折り返しに逆サイドのＭＦムニエが詰めて先制した。その後も急所を突くスルーパスや速攻で再三決定機をつくり、後半３７分にデブルイネのパスからＥ・アザールが追加点。６万４４０６人の大観衆は、鮮やかな攻めに魅了され続けた。

　ムニエのゴールで、今大会のチーム得点者は史上最多に並ぶ１０人に達した。日本戦では、決勝トーナメントで４８年ぶりとなる０－２からの逆転勝利。準々決勝で優勝候補筆頭のブラジルも撃破した。マルティネス監督は「さまざまな記録がこのチームの強さを示している」と胸を張った。

　Ｅ・アザールら“黄金世代”でつかんだ銅メダル。「すてきな旅だったが、次を見据えて成長していかなくては」。マルティネス監督はさらなる進化を思い描く。まずは２年後の欧州選手権。この試合で先発出場した２１歳のＭＦティーレマンスら有望株が力を付ければ、もっと強いベルギーが見られるだろう。