遠藤「思い出の地」で原点回帰

 「ブラジルW杯」(12日開幕)

 前日に決戦の地・ブラジルに入ったサッカー日本代表は8日(日本時間9日)、ベースキャンプ地であるサンパウロ州イトゥ近郊のソロカバで初練習を行った。5月21日の国内合宿スタート後、初めて23人全員がフル参加した。MF遠藤保仁(34)=G大阪=にとっては高校2年時に短期サッカー留学で訪れた場所であり「初めてプロの選手とプレーした」という思い出の地。百戦錬磨のボランチは、原点回帰でW杯本大会での躍動を誓った。

 頬をなでる風は、どこか懐かしい。「17年も前なのでねえ。いろいろ変わっていますけど、あの時の経験は大きいですね」。ザックジャパンの最年長、MF遠藤は感慨深げに振り返った。

 高校2年の春、遠藤はこの場所にいた。当時、鹿児島実高のサッカー部を指導していたブラジル人コーチのジョゼ・カルロス氏の勧めで、ソロカバにあるサンベントというクラブに短期留学。その本拠地は、この日の練習で使用したバルテル・リベイロ競技場だった。練習試合に出場した経験もあるだけに「思い出の地ですね」と話す。

 その当時、既に世代別の代表に選出された経験を持つなど、頭角を現し始めていた遠藤だったが「初めてプロの練習に交ざったのはここでしたね。プロの厳しさや、選手たちのサッカーに対する強い思いを見て、勉強になった」。高い技術の上に備わった、ブラジルで学んだメンタリティー。卒業後、ブラジル人選手がチームの中核を担っていた横浜Fに加入したことは、この経験と無縁ではない。

 わずかな期間だったが、当時の遠藤に大きな刺激と飛躍のきっかけを与えたブラジル短期留学。34歳となった今でも第一線で活躍しつづける遠藤の根幹を支えるものの一つだ。

 ソロカバで練習するのはこの日だけだが、この数奇な運命に遠藤は「思い出の地で(ブラジル練習の)初日を迎えられるのは、うれしく思いますね」と笑顔を見せた。

 自身にとって3度目のW杯となるブラジル大会。初戦のコートジボワール戦は刻一刻と迫っているが「いい緊張感を持ってモチベーションを上げて、W杯に向けていい準備をしていきたい」。いつも通り淡々と、それでも熱い気持ちを持って、遠藤は原点回帰の地で飛躍を誓った。

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