長友、スタンコビッチに成長見せる

 「国際親善試合、セルビア-日本」(11日、ノビサド)

 欧州遠征中のサッカー日本代表は11日(日本時間12日未明)にセルビア代表との国際親善試合に臨む。DF長友佑都(27)=インテル・ミラノ=にとっては、昨季までの同僚でセルビアの英雄デヤン・スタンコビッチ(35)の代表引退試合という特別な一戦。「日の丸を背負って成長した『長友佑都』を、彼の目の前で見せたい」と気合満点。入魂のプレーで恩に報い、日本の強さを見せつけて盟友を送り出す。両チームは10日、試合会場で最終調整した。

 W杯本大会へ絶好の強化マッチ。しかも東欧での敵地戦だ。ザッケローニ監督の指示も熱を帯び、チーム内の緊張感も上昇してきた。

 「来年のW杯を意識して、いい結果に内容も伴った試合ができるようにしたい。相手に関係なく、自分たちが準備してきたことを出し切りたい」。長友は静かな表情で、そう意気込みを語った。

 ただ、長友だけは「相手に関係なく‐」とはいかないだろう。

 この一戦は、昨季までインテルで同僚だったMFスタンコビッチの現役引退試合。日本戦に出場すれば国際Aマッチ通算103試合となり、セルビア史上最多出場記録となる。ただ「偉大で素晴らしい選手」(長友)という以上に、セルビアの英雄は長友自身の進化に欠かせぬ存在だった。

 「メンタルがぶれているところを見たことがない。ケガが多い時期があり、ぼくも(リハビリを)共にしたけど、彼はいつも自分にできることをやっていた。自分だけではなく、苦しいときにはチームのために行動を起こしていた。学ぶべきところがたくさんあった」

 強靱(きょうじん)な精神力に支えられたプレースタイルは、まさに長友が目指す“最高峰”。だから、長友は「引退試合に携われるのは誇りであり、幸せ」と言い、「日本代表として、彼を相手に勝負できるのはうれしい」と喜んだ。

 ミラノからベオグラード入りする航空機で、スタンコビッチからこう告げられたという。

 「インテルに『ユウトを削るな』と言われたよ。だから、最初の10、15分はオレのところにプレッシャーに来るなと、みんなに言っておけ」

 もっとも、そんな“約束”を守るつもりはない。インテルで進化を遂げた長友が、魂を込めたプレーで「恩師」に牙をむく。

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