国際サッカー連盟(FIFA)は7月31日、W杯の運営などを担う子会社設立計画を撤回すると発表した。2割の株式を外部投資家に売却する計画で、商業主義を加速させる懸念があることから、欧州サッカー連盟(UEFA)を筆頭に、各所からの反発を招いていた。
FIFAの構想は猛烈な反発を受け、わずか3日で頓挫した。インファンティノ会長が「この計画が分断を生み出していることが明確になった。当初に掲げた目的の利益には合致しない。計画を進めない」との声明を発表した。
評価額200億ドル(約3兆1600億円)規模の会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」を新設し、2割の株式を外部投資家に売却する方針だった。FIFAは新たに見込む収入を加盟する全211協会に配分金として還元し、27~30年に現状の2・5倍となる30億円超を割り当てるなどと提案。しかし、過剰な商業主義を招くなど反発が広がった。
子会社設立にはFIFA加盟協会の過半数の賛同や理事会の承認が必要だった。UEFAは、同案が取り下げられるまで加盟全55協会がW杯を含むFIFA主催大会に参加しないと強硬な姿勢を表明。欧州勢不在のW杯は、もはや大会の価値を失う。
インファンティノ会長は16年の就任から拡大路線を推し進め、潤沢な資金を加盟協会に配分する手法で盤石の支持を築いてきた。だが、今回の強引な一手で求心力は低下した。
「FIFA平和賞」の授与など露骨に取り入ってきた米トランプ大統領との関係はW杯期間中から批判の対象となり、今回の計画でもトランプ氏の影がちらついた。四面楚歌(そか)の会長は辞任の可能性も取り沙汰され、AP通信などによると後任候補にはFIFA副会長のモンタリアニ氏(カナダ)らの名前が浮上している。