来年1~2月のアジア・カップ(サウジアラビア)までの続投が決まったサッカー日本代表の森保一監督(57)が24日、都内で記者会見に臨み「次につなげられるようにベストを尽くす」と、異例の短期政権となる3期目へ意気込みを語った。来年3月以降は、2028年ロサンゼルス五輪出場を目指すU-21(21歳以下)日本代表監督の大岩剛氏(54)が兼任で引き継ぐ。会見には日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長(49)と山本昌邦技術委員長(68)も同席。森保監督から大岩氏へのバトンリレーで「継承と進化」の実現を目指す。
会見冒頭のあいさつで突如、森保監督が言葉に詰まった。「契約延長のオファーをいただき、本当にありがたい。与えられた契約期間で、日本代表の勝利、日本サッカーのためになるという思いを持って。そして…」。約10秒間の沈黙。胸中は分からない。その後、意を決したように「自分がやるべきことに全力を尽くしたい」と表情を引き締めた。
宮本会長によると、監督の後任人事に着手したのは3月。森保監督には「W杯まで」と伝えた。その後、外国出身の指導者を含めた新体制か、もしくは体制継続かを山本委員長、ロシアW杯で指揮を執った西野朗氏を含めた“3者会談”で議論。最終的にアジア杯までを森保監督に託す継続路線に決まり、W杯直前の5月に打診した。
前代未聞となる半年間限定の続投オファー。18年ロシアW杯後から約8年間率いてきた指揮官にとって、受け入れがたいものと捉えられる可能性もあった。それでも森保監督は「いわゆる雇う側と雇われる側のシンプルな答え。4年であれ、半年であれ納得してやらせていただく」と、“男気”で受諾した。
アジア杯を重要視する理由にFIFAランキングがある。ランキング上位に入れば、次回W杯でポット1に入る可能性が高まる。ポット2で臨んだ北中米W杯ではベースキャンプ地選定や、試合前日練習時間でポット1の主張が優先された。宮本会長は「世界で戦うためには、まずはアジアで勝つ力を示していく必要がある。誰が結果を出せるかということを考えた」と説明。前回のW杯アジア最終予選で史上最速となる本大会出場を決め、アジアにおける強さを証明した森保体制の継続を決断した。
大岩氏はロス世代のチームで臨む愛知・名古屋アジア大会を9~10月に控え、年内はU-21日本代表の活動に専念する。同氏が引き継ぐまでの期間で予定されている国際Aマッチは最大13試合。森保監督の中では「13試合を奪うことになるかもしれない」と葛藤もあったが、会長らとの話し合いを経て「チームを崩してアジア杯を戦うよりも、継続でいくことがより勝つ確率を高められる」と覚悟を決めた。アジア制覇という最後の使命を果たし、継承者へバトンをつなぐ。