たくましくなった日本 理想通りにいかなくても勝ちきったのは力をつけているということ【福西崇史氏の分析】

 「国際親善試合、日本代表1-0イングランド代表」(31日、英・ロンドン)

 日本代表は前半23分にMF三笘薫(ブライトン)が得点し、1-0で勝ってイングランド代表から初勝利を挙げた。通算対戦成績は日本の1勝1分け2敗。W杯北中米3カ国大会のメンバー発表前最後の活動となった英国遠征は、1-0で勝ったスコットランド戦と合わせて2連勝。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

 ◇   ◇   ◇

 日本はたくましくなった。落ち着きがあり、強豪国が相手でも、展開に応じてしっかりとした試合運びができていた。これだけ追い込まれたら慌てることもあるだろうが、理想通りにいかなくても勝ちきったのは、チームとして力をつけているということだ。

 得点シーンはカウンターにいくという意思統一、考え方が共有できていた。三笘がボールを取った瞬間、中村が左サイドからいくということでスタートを切っていた。三笘がパスを出した後からも、上田が引き連れていくということ。三笘の後ろには堂安がいるということ。カウンターで点を取りに行くことをみんなが意識してやれていたから、得点が生まれた。

 三笘と中村は左サイドで組んでいることもあり、タイミングもばっちりだった。三笘は一人で打開できるすごさがある。左サイドで時間をかけられたり、サポートを待てたり、局面を打開してくれる。彼だからこそできるし、日本の強みである。

 後手後手の展開で、理想通りにハイプレスしたときに点が取れればとは思うが、相手はイングランド。ミドルゾーンになったら距離は増えるので、走る選手も必要になってくる。守備も良く、谷口のラインのコントロールはさすがだった。ラインの作り方、鎌田と佐野海の運動量、前での動き方はうまくまとめられていた。佐野海の動きも目を引くものがあり、寄せきる力といい、パスカットの能力の高さといい、レベルが上がってきている。

 W杯に向けて、今回のイングランド戦の選手が主に出るというのは、見ていても分かる。スコットランド戦は使っていない選手たちをどうやって使うか、この選手とこの選手が組んだらどうなのか、最後はシステムを変えてとか、試しが多かった。

 W杯のメンバー発表前最後の試合だったが、ケガ明けの選手を入れるかどうか悩むだろう。ディフェンスで言えば、渡辺や鈴木淳らが出ている。体調が戻らないようであれば、冨安や板倉らを外すのかどうか。クラブでの活躍次第にはなると思うので、そういうことを考えると本当に悩ましく、難しい。

 そしてW杯1次リーグの残る対戦国がスウェーデンに決まった。強くて、能力の高いチームだ。しっかりと分析していくことになる。日本からすると、スウェーデンとポーランドのどちらが良かったとかはないだろう。それよりも理想通り戦えるかどうかだ。

 スウェーデンとは2002年5月に対戦した経験があるが、大柄でパワーがあるというイメージ。パワーだけではなく、うまさも兼ね備えられてきた。相手にある程度ボールを持たれながらも、守備をしつつ、守りだけではなく後ろからつないでくる。その辺では日本とよく似ている。

 日本がやるべきことは変わらないと思う。押さえるべき人を押さえて、ボールを持てたら堅い守りをどう崩すか。持てなかったらどうカウンターをしていくか。ハイプレスをどうするか。今回もそうだが、試合の中でどうしていくかを決めていくことだ。

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