「明治安田J2・J3百年構想リーグ、甲府4-1福島」(7日、JITリサイクルインクスタジアム)
J3福島の元日本代表FW、カズこと三浦知良(58)が開幕戦の甲府戦に先発して前半20分までプレーし、自身が持つJリーグ公式戦の最年長出場記録を58歳11カ月12日に更新した。従来の記録は横浜FC時代の2021年5月19日に、ルヴァン・カップの浦和戦に出場した際の54歳2カ月23日。カズは3トップの中央で奮闘。シュートは打てなかったが、1725日ぶりのJピッチに感慨に浸った。チームは1-4で敗れた。
カズが5年ぶりにJのピッチに帰ってきた。試合前には雪が舞うほどの寒さの中「気合を入れた」と半袖姿で先発出場。チーム戦術上、前半20分で“お役御免”となったが、会場は敵である甲府サポーターも含めて大きな拍手に包まれた。カズにとって、感慨深いJ復帰戦となった。
「やっぱりJリーグの雰囲気はすばらしいなと。本当に幸せ。敵チームの選手が交代するときに拍手をもらえるなんてない。拍手してもらえないぐらい、点を入れて活躍しなきゃ駄目ですね」
先発を伝えられたのは試合2日前。「おしっこ、ちびりそうになった」と、青天のへきれきだった。それでも百戦錬磨のプロ41年目。すぐに切り替え、照準を合わせた。寺田周平監督(50)は「開幕戦、カズさんが出ることでチームの雰囲気も上がる」と、年上のレジェンドを送り出した。
3トップの中央で先発。ボールタッチの回数こそ少なかったが、ボールを引き出し前線の起点となる場面もあった。前半17分には右サイドでシザース(またぎフェイント)を披露。敵側のバックスタンドが沸く異様な光景が注目度を物語っていた。
自身が持つJリーグ公式戦の最年長記録を更新したが、「そこは自分自身そんなに意識してない」と意に介さない。年齢から来る衰えを自覚する中、日々のトレーニングは決して怠らない。「そこがなければピッチに立つ資格がなくなってしまう」と変わらない信念がある。
26日には59歳を迎える。現役でプレーし続けるカズの姿は同世代の希望となっているはずだ。「感謝の気持ちをプレーに出して全力で取り組みたい。それだけですね」。次はゴールで、日本中を沸かせてみせる。