サッカー日本代表の森保一監督(57)が23日、相模原市で開催された講演会「夢を信じる強さ~挑戦の先にある未来~」出席後に取材対応。22日に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大ケガが発表された日本代表MF南野拓実(30)について「本当に残念、悲しいと思っています」と言及した。
前回のカタールW杯を含め、森保ジャパンをけん引してきた南野の大けが。森保監督もショックを隠せず「どれだけのけがか分かっていないが、手術は間違いなくやってリハビリ期間を経て復帰ということで、長期離脱になると思います。本人が一番痛いと思いますので、まず本人にお見舞いの気持ちを伝えたい」と語った。
ただ、監督自身も希望は捨てていない。「W杯で日本が勝つために貢献してくれると考えてくれていると思いますが、まずは怪我を治すことに専念してほしい」とエールを送り、「我々も拓実が手術からリハビリの過程でいい形で復帰できるように最大限のサポートをしたい」と約束した。
南野は21日に敵地で行われたフランス・カップのオセール戦で、ボールを奪おうとした際に左膝を負傷。前半36分に交代した。ピッチに倒れ込み、自力で歩くことができず顔を両手で覆いながら担架で運ばれピッチを後にしていた。その後、クラブから前十字靱帯(じんたい)を断裂したと発表された。
2度の森保政権を通じ出場・得点ともにチーム最多で、選出されれば自身2度目となる26年W杯北中米3カ国大会では主力として期待されていた南野。全治は明らかになっていないが、開幕までの復帰は厳しい見込みとなっている。
講演会では女子プロサッカー・WEリーグ「ノジマステラ神奈川相模原」に所属するFW笹井一愛(21)と対談講演を実施。笹井は生まれつき先天性難聴で右耳が全く聞こえず、わずかに聞こえる左耳に補聴器を付けてプレーする。努力を重ね、2024年U-20女子ワールドカップでは日本代表として出場した。試合中の会話が難しい中、味方の雰囲気、表情から気持ちをくみ取るコミュニーション法を興味深そうに聞き入った森保監督は「本当にすてき。自分自身のコミュニケーションの取り方を考えさせられました」とうなずいた。