町田・黒田監督 苦難乗り越え掴んだ初タイトル パワハラ疑惑、キャリア初3連敗、愛犬の死「常に不安。恐怖すら覚えた」

 「天皇杯・決勝、町田3-1神戸」(22日、国立競技場)

 決勝が行われ、町田が神戸に3-1で勝ち、初優勝を果たした。前半にFW藤尾翔太(24)が、GKと競り合いながらクロスを押し込んで先制。さらにFW相馬勇紀(28)が加点し、後半には藤尾のミドルシュートで突き放した。神戸の反撃を1点に抑え、J1昇格2季目で初の国内主要タイトルを獲得した。黒田剛監督(55)は就任3年目での栄冠に目を潤ませた。

  ◇  ◇

 試合終了の笛が鳴った瞬間、黒田監督は反り返るように両手を掲げてガッツポーズした。笑顔でコーチ陣と円陣を組み喜びを分かち合うと、もみくちゃに。その後、目には光るものがあった。

 「高校サッカーで何度もタイトルを取らせてもらって、プロとして3年目。すごく自分の中で不安や恐怖を覚え、今年1年もがき苦しむ時期もあった。そういったものが今日の勝利によって報われた。皆さんへの心からの感謝も含めて、涙となって出てきた」

 約30年間、青森山田高を率い、全国高校選手権では3度の優勝に導いた名将。23年からプロに舞台を移し、1年目でJ2優勝を成し遂げると、2年目もJ1初挑戦のクラブとしては歴代最高位となる3位に導き、Jリーグを席巻した。

 ただ、3年目の今季、“負け知らず”の指揮官に試練が待っていた。4月6日に一度首位に立つも、以降の7試合で1勝1分け5敗と急失速。同時期に自身のパワハラ疑惑が報じられ、キャリア初の3連敗を喫した。「心の整理がつかず、常に不安だった。恐怖すら覚えた」。負け慣れていない人間にとって、3連敗は耐え難いものだった。

 さらに追い打ちをかけるかのように、17年もの間、ともに暮らしてきた愛犬が亡くなった。「最後、口も動いてたんだけど…朝まで起きててくれて。俺が抱っこして、10分後くらいに息を引き取った」。涙は止まらない。サッカーのことを考えると息苦しくなった。どん底でショックは大きく、3連敗となった翌日は定例取材に初めて応じられなかった。

 それでも「選手たちの上に立つ男・監督として、引きずってはいられない」と無理やりにでも立ち上がった。「『あの時は相当悪かったね』って後から笑って言えるように」。言葉通り、ぶれずに歩み続けた闘将。苦しんだ先の栄冠だった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス