「明治安田J1、神戸2-1名古屋」(15日、ノエビアスタジアム神戸)
神戸が名古屋に競り勝ち、勝ち点33の6位に浮上した。特別移籍期間の9日に横浜Mから移籍してきたDF永戸勝也(30)は、移籍後初のスタメン出場で勝利に貢献した。
永戸が見せ場を作ったのは1点リードで迎えた前半アディショナルタイムの47分。右CKを獲得すると、キッカーを務め、前評判の高かった精度の高い左足でクロスを放った。ゴール前のFW佐々木の頭をかすめ、逆サイドのFW宮代にきれいに収まると、宮代が左足を振り抜いて貴重な追加点となった。
チーム合流1週間未満で、神戸での本格的なゲーム形式の実戦練習も未経験。ただ、サイドバックの主力だったDF本多が欠場したこともあり、吉田監督は「前所属チームでも試合に出てましたし、コンディション的には問題ない。あとは戦術なところも彼とは時間をかけてミーティングしたし、十分フィットする」と永戸をスタートから起用した。
加えてチームの戦力としてアピールを求められる試合だったが、永戸は見事に期待に応えた。2点目のシーンには「少しラッキーもあった」と控えめだったが、ロングスローやセットプレーでの存在感は抜群。宮代も「(キックは)受けやすいし、目も合う。マリノスでサッカーをやってきたんだなという印象です」とべた褒めだった。
リーグ最下位に低迷する古巣・横浜Mからの移籍は葛藤もあったが、「ピッチに立った以上は神戸のためにプレーすると決めていた」と私情は持ち込まない。短い準備期間で高いパフォーマンスを発揮した永戸はまさに“プロフェッショナル”だった。