「W杯アジア最終予選、日本代表6-0インドネシア代表」(10日、パナソニックスタジアム吹田)
C組最終戦で、すでに本大会出場を決めていた日本は大勝した。鎌田大地(クリスタルパレス)が2得点し、久保建英(レアル・ソシエダード)、森下龍矢(レギア・ワルシャワ)、町野修斗(キール)、細谷真大(柏)がそれぞれゴール。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。
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日本は強さを見せつけた。後半にインドネシアは疲れていたが、日本が前半からしっかりボールを動かしていたからで、オーストラリア戦のように外だけではなくて、中を使ったことも効果があった。相手のシュートはゼロだし、守備で集中力を維持しつつ、試合を運んでいった。
久保の得点は、鎌田とのコンビネーションが光っていた。鎌田が後ろを向いたふりをしてヒールで落とすではないが、ああいう2対1の局面とか、相手をだますプレーとか、いいコンビだった。久保はゴール前で落ち着いている。だからダブルタッチもできる。余裕があるということだ。
2得点した鎌田も魅せた。先制点はいいタイミングで中に入ったし、三戸はうまく合わせた。2得点目も本当に落ち着いていた。状況に応じたプレーができるのは、彼の良さと言える。
生き残りをかける選手たちは、アピールというか、ここまでできると見せたところはある。ただ、常連組がいたから引っ張られたところも見受けられた。カバーもそうだが、次、そして3人目の動きというところでは、信頼感があるからこそ動く部分もある。まずはスタート地点として、ここからもうワンランクアップして、意識してやれるかが大事になる。
俵積田はオーストラリア戦も果敢に攻めていたし、佐野海舟はどんどん前に出ていた。佐野航大もこれから代表を意識して結果を残すだろうし、佐藤もそうだろう。試合に出たことによって、選手は意識を高められる。
もっとも、アピールしていかなくてはならない立場の人たちが、軸となる選手たちの中に食い込んでいけるかとなると相当厳しい。ディフェンスラインならともかく、サイドやトップ下は人が多すぎる。結果を残していくしかなく、これから呼ばれるのは1人か2人だろう。
最終予選を通じて、日本はアジアレベルでは抑えられないぐらい強くなった。オーストラリア戦は若手中心ということもあり、1点を取られただけだったし、今回は6-0。確実にアジアのレベルを超えた。みんなが油断せずにこれだけ戦えたのは、森保監督が競争させていることがうまくいっている証拠だ。
W杯の開幕まで1年。これから大事になってくるのは個々の守備だ。アジアレベルだと、自分たちがボールを持てるから攻撃をどうするかになってくるが、世界と戦う上では守備をどうするかになる。これからどれだけ強いチームを呼べるか。そして数多くの試合をできるか。世界相手には守備からになる。