鈴鹿 カズが納得の逆転勝利「ベテランが考え、若い奴が走った」試合後はサイン対応も

 後半、鈴鹿・三宅の逆転ゴールにガッツポーズを決める三浦知良(撮影・高部洋祐)
 後半、三宅の同点ゴールに喜ぶ鈴鹿・三浦知良(撮影・高部洋祐)
 後半、同点ゴールを決めた三宅海斗(左)を祝福する鈴鹿・三浦知良(撮影・高部洋祐)
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 「JFL、鈴鹿3-2枚方」(1日、四日市市中央陸上競技場)

 日本フットボールリーグ(JFL)の第7節が開催され、鈴鹿ポイントゲッターズの元日本代表FW三浦知良(55)は3試合連続のスタメン出場を果たし、逆転勝利に貢献した。シュート1本でJFL初得点はお預けながらも、自身の持つJFL最年長出場記録を55歳64日に更新。試合後は約10分間、待ち構えるサポーターのサインに応じた。練習後のファンサービスとしては応じているが、試合後にサインに応じるのは移籍後初。

 2トップの一角で先発したカズは2点を奪われても冷静だった。「早い時間に2点を取られ、みんな精神的に苦しくなっていた。そこは自分自身が励ましの声をかけていた。1点取れば好転すると思ったし、3点目を絶対取られちゃいけないと伝えた」。前半にロングスローからMF橋本のゴールで1点を返すと、後半はカズがトップ下にポジションを下げて、組み立て役となる。前線に栗田、三宅というスピードのあるFWを置き、カウンターからの三宅の2発で逆転した。「ベテランが考え、若い奴が走った」と狙い通りの展開を振り返った。

 今季最長の後半34分までのプレー。兄の三浦泰年監督は起用について「勝つため。誰を残すと相手が嫌かというと、今日の試合ではカズを残すことが勝利するために必要だった」と説明した。

 ぬかるんだグラウンドではファウルも多く、両チームがエキサイトするシーンも見られた。後半14分には鈴鹿ゴール前で小競り合いも発生したが、誰よりも早く駆け寄り、身を挺して仲裁した。泰年監督は「冷静ですよね。カズ自身が一番このチームで冷静。プレーはもちろんプレー以外でも冷静。これを見て若い選手が育っていくんだろうなと思うし、私も監督でありながら彼から学ぶことは多いなと実感しています」とチームに与える影響の大きさを強調した。

 水たまりのようなグラウンドでもカズのプレーは乱れなかった。今回、鈴鹿のアシスタントコーチを務めた盟友の元日本代表FW武田修宏氏(54)は「カズさんはブラジルでやっているから。こういうピッチにも慣れている」と分析した。

 敵将にも刺激を与えた。現役時代、カズと対戦している小川佳純監督(37)が語る。「僕はプレーヤーとしては無理だと思って今こういう立場でいる。ああやって今でも現役でプレーしているカズさんの姿に、僕もいい影響を与えてもらっている。JFLにこれだけたくさんのお客さんが足を運んでくれるのもカズさんのおかげ。カズさんの姿勢を見習って僕も常に向上心を持ち続けたい」。55歳の現役選手に敬意を示した。

 雨の四日市市中央陸上競技場には1351人が駆けつけた。「本当にありがたい。この天気ですしここまで集まるとは思っていなかったと」とカズは感謝する。「これだけ来てくれたお客さんの前でホームのチームが逆転勝利したというのはチームにとっても大きいですし、サポーターの人たちにとってもいいゴールデンウイークになったんじゃないかな」。自身もサポーターも納得の逆転勝利となった。

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