キングカズJFL降臨65分「去年は1分…今日で60倍」 最年長出場大幅更新の55歳が魅了

 前半、ヘディングで相手と激しく競り合う三浦知良(左)=撮影・高部洋祐
 前半、大勢の観客を背にプレーする三浦知良(撮影・高部洋祐)
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 「JFL、鈴鹿2-0青森」(13日、四日市市中央陸上競技場)

 開幕し、鈴鹿ポイントゲッターズのFW三浦知良(55)がスタメン出場で新天地デビューを果たした。後半20分まで計65分間のプレーで、JFL最年長出場記録を大幅に塗り替えた。ゴールは奪えず、同最年長得点記録更新こそお預けとなったが、試合はラインメール青森に2-0で勝利。チームにとって初の開幕戦白星だった。入場者数も“カズ効果”により、4620人でチーム史上最多を記録した。

 “キング”がJFLに降臨した。見せ場は前半42分。FW三宅の右クロスに、カズが頭から飛び込んだ。わずかにボールには届かず、シュートまでは持っていけなかったが、会場はこの日一番の盛り上がり。得意のまたぎフェイントも披露するなどファンを魅了し、移籍後デビュー戦を勝利で飾った。

 「先発で出場することはやはり選手冥利(みょうり)に尽きる。試合に出られるということが選手にとって一番大事なことだと思う。監督含めクラブ、選手みんなに感謝したい」

 公式戦でのスタメン出場は横浜FC時代の20年9月23日J1川崎戦(等々力)以来で、開幕スタメンとなれば17年以来5年ぶり。試合前にはスペースも限られる会場のため、控室前の通路で入念なストレッチを行うなどJFLならではの苦労もあったが、手を抜くことなく準備した。

 後半20分に途中交代するまで約65分間プレー。55歳15日での出場は、アマラオ(FC刈谷)の持つJFL最年長出場記録(43歳9日)を大幅に更新した。

 昨季はJ1だった横浜FCでリーグ出場1試合の1分のみに終わった。今オフに出場機会を求め、実兄の三浦泰年監督(56)率いる三重県初のJリーグ入りを目指す鈴鹿へ期限付き移籍を決断。開幕スタメンを勝ち取り「去年は1分の出場だった。今日で60倍(実際は65分)も出てしまった(笑)」と、公式戦に出られる喜びがあふれた。

 ただ、自身のプレーに満足はない。ボールに関わる機会は決して多くなく「もっとボールに関わって自分がペナルティーエリアに入っていきたい」と本音も漏れた。それでも豊富な経験を生かし「全体のバランスを取った」と、時には2列目まで下がりチームをコントロール。試合は前半にチームのシュートも0本だったが、後半にFW三宅とDF菊島の得点で勝利した。

 最年長得点記録更新は次節に持ち越し。「みんな僕のゴールを期待していることも分かっている」。結果を求める新天地でのプロ37年目の戦いが始まった。

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