森保監督 世界を追い越すため強力な“金太郎飴”作る【新春インタビュー2】
サッカー日本代表の森保一監督(53)が3日までに合同インタビューに応じた。カタールW杯イヤーとなる2022年を「喜」の一年にしたいと語る代表指揮官。4試合を残す最終予選を勝ち抜き、現役時代に「悲劇」を経験したカタールを「歓喜」の地に変えるために、日本には強力な「金太郎飴」を生み出す仕組み作りが必要だと力説した。
◇ ◇
-日本サッカーが世界に追い付き、追い越すために必要なもの。
「今やっていることのクオリティーを高めていければ、どこと戦っても勝つ確率を上げられる。攻撃で言うと、守から攻に切り替わった時に速攻を仕掛けられること。それをハイプレッシャーの下でやる。速攻ができなければ世界相手に得点を奪って優位に試合を進めることができない。速攻を仕掛けられなかった時はマイボールを大切にして相手の守備を崩していく。速攻と遅攻の使い分けになる。守備に関しては、ボールを失った瞬間にできるだけ早くボールを奪いにいくことが勝っていくための生命線になる。世界の強豪が嫌がることができれば、アジアの中でももっと嫌がられるチームになれる。基準を高く持ってやることが大切」
-世界のサッカーから取り入れたいもの。
「『日本人らしいサッカー』の仕組み作りができればと思っている。監督が代わればチームカラーが全て変わるのではなく、選手が代わっても(世代の)カテゴリーを上下しても、ポジションで求められるコンセプトや役割を各カテゴリーの代表監督と共有できれば。世界の強豪には、その国の戦い方がある。ポジションごとの役割が絶対的にはっきりしている。そこを自分たちの中にも作りたい」
「こう言うと、型にはめた『金太郎飴』を作ることになると賛否両論あるが、各ポジションのプレーモデルをはっきりすることで、準備期間は短くても選手たちはスムーズにプレーできる。より強力な『金太郎飴』の選手が試合に出られると言える。五輪で戦ったスペインがまさにそうだった。準備時間が短い中であれだけのクオリティーを保てるのは、持っているベースがあって、対戦相手や状況で少しマイナーチェンジして戦う、判断を持って戦うということをやっていて、日本にはそこが足りない。ベースよりオプションが先になっていて、選手たちが軸を持って戦えない。日本のベース、プレーモデルを作り上げた方がいいと思っている」
-代表監督のプレッシャーは。
「プレッシャーには弱いです。受け止められないので逃がしているところはあるかもしれない。チームのため、選手のため、日本サッカーのためという原理原則を持ちながら、その時できることをやっていく、ベストを尽くすと考えている。もっと厳しいことをガンガン言ってください。時には熱くなるかもしれないですが(笑)。全ては日本サッカーの成長につながる。サッカーの見方は絶対一緒じゃない。それをぶつけてもらって、自分の考え方の幅が広がったり、気づきもあったりすると思う」