「天皇杯・準決勝、川崎1(PK4-5)1大分」(12日、等々力陸上競技場)
来季J2に降格する大分が、2連覇を狙った今季J1覇者の川崎を破って初の決勝に駒を進めた。主将のGK高木駿(32)の好セーブなどで猛攻を防ぎ、1-1からのPK戦を5-4で制した。九州勢の決勝進出は第45回大会(1965年度)の八幡製鉄以来56大会ぶりで、Jリーグのクラブでは初。決勝は19日に東京・国立競技場で行われる。
決勝進出が決まった瞬間、大分の高木は勝利を実感できなかった。「何も考えていなくて…。急にみんなが走ってきたから勝ったんだ、と」。PK戦で川崎の7人目、山根のシュートを右手で止め、J1覇者の天皇杯連覇を阻止した。
2012~13年と16年に在籍した古巣にシュートを28本も浴びながら、好セーブで何度も救った。「調子が良いときは体と目と予測がかみ合うときがあるけど、自分でもびっくりするぐらい、いいプレーができた」と自賛した。
延長後半に先制されてもパワープレーを仕掛け、ロスタイムにDFエンリケトレビザンが頭で同点弾をねじ込んだ。勝利が決まると、ピッチであおむけになって顔を覆った片野坂監督も「夢のようというか信じられない」と放心した。
相手は、今季のJリーグで28勝8分け2敗と圧倒的な数字を残して2連覇を達成した川崎。対する大分は9勝8分け21敗で20チーム中18位に沈み、来季はJ2への降格が決まっている。2季連続の国内2冠に挑んだ常勝軍団の本拠地・等々力で番狂わせをやってのけた。
リーグ戦で主に採用した3バックではなく4バックに変え、揺さぶった。九州のJクラブで初の天皇杯制覇まであと一つ。「優勝すれば確実にトリニータの未来につながる」と意気込む高木を中心に、笑顔で大団円を迎える。