INACvs日テレを女子サッカーの阪神vs巨人に INAC神戸・安本社長の挑戦

開幕戦の陣頭指揮を執ったINAC神戸の安本卓史社長(INAC神戸提供)
INAC神戸と大宮の開幕戦には4000人以上が集まった
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 日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が9月12日に開幕した。前代未聞の午前10時キックオフというオープニングカードを担ったINAC神戸の安本卓史社長(48)が命懸けで挑んだ開幕戦の舞台裏とともに、再び舞台をノエビアスタジアム神戸で迎える日テレ東京V戦(10日)への意気込みを語った。INAC神戸-日テレ東京Vを女子サッカーの「阪神VS巨人」と捉え、「1万人プロジェクト」として観客1万人を目指す。

 まさに命懸けの開幕戦だった。開幕カードを担ったINAC神戸。5-0での快勝後、安本社長は猛烈な腹部の痛みにより病院へ直行。急性虫垂炎で緊急手術し、そのまま6日間、入院した。

 前代未聞の午前10時キックオフを決断し、勝ち取った開幕戦だった。来場した岡島喜久子チェアによる開幕宣言、TUBEのギタリスト・春畑道哉によるWEリーグアンセム「WE PROMISE」の演奏も実現。テレビの地上波生中継され、WEリーグ第1号ゴールも生まれ、歴史が動いた。

 かつてJ1神戸の常務取締役を務めた安本社長は「スタッフの人数、予算規模もJ1の10分の1」と明かす。フロントスタッフはわずか8人。「褒められることではないが、一生に一度の大舞台だとスタッフも睡眠時間を削って取り組んだ」。当日は朝5時集合。「見えないところでは課題も出たが、J1並みのイベントができた」と胸を張る。自らも開幕イベントの演出責任者として奔走。代償として体調は崩したが、「やって良かった」と悔いはない。

 午前中の試合についても観戦者の反応は上々だという。「日曜日の午前中にINACの試合を見て、午後は丸々他のことができると好意的な声も多かった。今後も常識破りの挑戦をしていきたい」と意欲的だ。

 そしてクラブは次なる目標へ動き出した。「1万人プロジェクト」と銘打ち、緊急事態宣言下のため開幕戦では断念せざるを得なかった観客1万人に挑戦する。

 INAC神戸のホームゲームでの1万人となると、澤穂希の現役最終年となった15年9月27日の浦和戦(ノエスタ)が最後。WEリーグ開幕とともに新たな一歩を踏み出す。

 昨年の皇后杯覇者・日テレ東京V戦は前半戦の大一番。安本社長が思い描くのはプロ野球の“伝統の一戦”阪神-巨人だ。「INACと日テレは覇権をずっと争ってきた。女子サッカーの『伝統の一戦』として育てていきたい」と意気込む。

 チームは開幕3連勝無失点で首位に立つ。“伝統の一戦”そしてWEリーグ初代女王へ、INAC神戸の挑戦が続く。

 ◆WEリーグ 日本初の女子サッカーのプロリーグ。「WE」は女性活躍を意味する「Women Empowerment」の頭文字から名付けられた。初年度は11クラブが参加。1クラブ15人以上とのプロ契約が必要で、最低年俸は大卒初任給を念頭に270万円とした。参加クラブが奇数で、各節で試合のないチームは「理念推進日」としてリーグやクラブの理念に基づいた活動を行う。男子のJリーグと異なる「秋春制」で実施され、来年5月に閉幕予定。

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