J1仙台・手倉森監督 復興10年目の「希望の光」に 8シーズンぶり指揮へ決意

 2011年の東日本大震災から11日で10年の節目を迎える。当時J1仙台の監督を務め、今季から8シーズンぶりに指揮を執る手倉森誠監督(53)が9日までにデイリースポーツなどのインタビューに応じた。復興への歩みにコロナ禍も重なる現況。「心の復興」の重要性を説き、再び被災地の「希望の光」となるべく決意を語った。

 運命に導かれ、再び仙台の地を踏んだ。震災から10年の節目。クラブは昨季17位に沈み、経営危機に不祥事とピッチ内外で苦境に陥った。再建のタクトは11年4位、12年2位へと導いた指揮官へ、必然のように託された。

 「もう一度(仙台に)必要とされた。大きな十字架を背負い、大きな試練が目の前にある。被災地東北の皆さんは、当時のことを自分の監督復帰と共に思い起こしてくれているだろう。その時のような、それ以上の覚悟を持って戦うシーズンにしなければいけない」

 10年前の3月11日。翌日に試合を控えたスタッフミーティング中に地震が発生した。クラブハウスの天井が落ち、必死で避難した。

 「サッカーをやれるのが当たり前じゃない、サッカーをやらせてもらっているんだと価値観が変わった。多くの方々が無念にも命を落とした。自分は生かされているんだと思った。生かされている者の使命は、やはり懸命に生きること。それは誰かの生きがいになろうとすることだと思うようになった」

 再び被災地の「希望の光」となるべく、必要なものは「チームのまとまり」だと言う。復興へサポーターと共に闘い、躍進に導いた10年前の映像を見せ、当時を知らない選手にも意識付けしてきた。

 「復興10年目の『希望の光』となる役割がある。その役割を担う気持ちがなければ、このクラブで仕事はできないと話した。東北が示すべきものは何か。どんな苦境からでもはい上がるたくましさ、根気強さ、東北人の魂を全国に表現したい」

 復興への歩みの足かせとなるように、新型コロナウイルスの影響も暗い影を落とす。

 「窮屈さを強いられる世の中で、復興に向けて懸命に戦っている人たちがいる。コロナと戦っている国民がいる。そういった方々の心に明るい希望を照らすことにスポーツが寄与すべき。スポーツ界、Jリーグが『心の復興』に対する貢献もしなければいけない」

 開幕戦で広島と引き分け、2戦目で川崎と対戦するのは、11年と全く同じ状況だった。6日の川崎戦では劇的な逆転勝利を収めた10年前の再現を狙ったが、1-5の大敗を喫した。だが、折れるわけにはいかない。試合後には「もう2度と(ホームで)負けない。ユアスタで最後の負けにしよう」と選手に語りかけたという。「希望の光」となる戦いは始まったばかりだ。

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