用意周到だったJ1神戸 ロングボールからの2得点で3戦ぶり勝利
「明治安田生命J1、札幌2-3神戸」(2日、札幌ドーム)
機転を利かせた戦いで神戸が3試合ぶりの勝利を手にした。序盤からマンツーマン気味に迫る札幌の激しいプレスにボール保持を封じられた。防戦一方の展開で前半29分に先制を許すと“プランB”に切り替えた。
失点直後の前半31分、DFフェルマーレンが蹴り出したボールを前線のFWドウグラスが競り勝ち、相手3人を引き付けてパス。走り込んだMF山口が同点ゴールを流し込んだ。前半終了間際の45分にはMFイニエスタが右サイドを抜け出したDF西に正確無比のロングパスを送ると、最後はドウグラスが倒れ込みながら、一時は逆転となるゴールを決めた。
前半わずか2本のシュートで2得点。2つのゴールはいずれも自陣からのロングボールが端緒となり、それは試合前から周到に用意された一手でもあった。「前線にはドウグラスがいるという強みがある。相手を自陣に押し込むため、長いボールを入れるのはこの試合の大きな作戦の一つだった」と山口は明かした。
指向するのはMFイニエスタを中心としたボール保持だが、今季から加入したドウグラスが前線の起点となり、戦術の幅が広がった。長所を消されても別の手法で勝ち点3を奪い切った。ようやく3勝目を挙げ、順位も9位と苦闘は続くが、新たな可能性を示した一戦でもあった。