J1広島 活動休止…広島の一員としてプロとしてコロナ乗り越える

 事態の変化は予測できていた。

 広島県での新型コロナウイルス感染が拡大し、吉田サッカー公園に近い三次市でクラスター(集団感染)が発生した。こういう状況で、サンフレッチェ広島がこれまで通りにトレーニングを続けることは難しいのではと思っていたし、実際にその通りになった。

 選手たちの受け止め方も冷静である。「致し方ない。こうなることは自然のこと」と青山敏弘は語り、荒木隼人選手会長も「サッカーができない状況は苦しいけれど、遅かれ早かれそういうことになるのは予想していた」と淡々と語った。

 だからなのか、この時期を利用して自分自身を高めようと計画している選手も少なくない。森島司や松本泰志は「食事」に着目し、簡単な自炊を始めた。若手の東俊希や鮎川峻は、英会話などの語学習得に向けて、インターネットを使ってチャレンジ。特別指定選手の藤井智也(立命大在学中)は「自分は雑草魂でここまでやってきたし、挫折ばかりの人生だった。なので、苦しい経験から成功をつかんだ人の本を読んで、いろんな教訓を得たい」と意気盛んだ。

 一方で、こういう時間を家族のために使いたいと考える選手もいる。永井龍は家で遊べるジャングルジムやすべり台を取り寄せた。幼い我が子が少しでも体を動かせるようにと考えたからだ。

 外出も自粛、クラブハウスも閉鎖されてトレーニングする場所も限られる。リーグ再開のめどもたっていない中で、メンタルも厳しい。それでも、と城福浩監督は言う。

 「広島の一員としての自覚を持ちながら、今をどう過ごすべきかを示していく。そのことで社会全体がポジティブな方向に向かうためのきっかけでありたい。選手たちはプロフェッショナルとして乗り越えてくれる」

 活動休止期間は4月14日から2週間程度だが、状況次第でどうなるかは未定。紫の戦士たちはサポーターと共に戦う日を目指して、休息に入る。(紫熊倶楽部・中野和也)

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