神戸・三木谷会長インタビュー【2】Jリーグは世界のトップリーグになれる 外国人枠は緩和すべき

 「天皇杯・決勝、神戸2-0鹿島」(1日、国立競技場)

 阪神・淡路大震災から25年という節目を前に、神戸がクラブ創設25年目で悲願の初タイトルを獲得した。三木谷浩史会長(54)が1日、東京都内でインタビューに応じ、震災や神戸への思いなどを語った。

  ◇  ◇

 ◆17年夏のFWポドルスキ獲得を皮切りに、18年夏にはMFイニエスタ、19年にはFWビジャなど次々と大物外国人を獲得した。

 -大きな投資でチームを強化して優勝

 「神戸に来ている選手はビッグネームなんですけど、全員が世界で尊敬されているプレーヤー。給料が高いか安いかと言えば、高いんですけど(笑)、彼らは神戸に来なくても、例えば中国とかでもっと高い給料を取れる。でも、そういう選手たちがヴィッセル神戸に来る。これはある意味、内側からのJリーグ改革。日本というのはよくよく考えると、サッカー先進国の中でも一番の経済大国なんですよね。イギリス、スペイン、フランス、ドイツ、イタリアよりも日本の経済の方が大きいわけじゃないですか。僕はやり方次第では世界のトップリーグになれると思っているわけですよ。そういう話をJリーグとさせていただきながら、『ダ・ゾーン』を日本に連れてくることに協力させていただいた。(イタリア1部セリエA)ユベントスのオーナーと話をしていたら、イタリア経済におけるサッカーの比率3%だと。GNP(国民総生産)の3%がサッカー。だからイタリアがW杯に行けないと、みんなが暗い顔をしてる。そんな大した話じゃないと思ったら、大変な話だった。情報化が進む中でも、スポーツが与える感動というのは経済的にも大きいし、国民を元気にするというところもあると思う。Jリーグは目線を高く持ってほしい。僕は外国人枠は緩和するべきだという持論なんです。そうしたら世界中のトッププレーヤーが来るんじゃないんですかと」

 -スペインは経済的には小さな国だが、バルセロナとレアル・マドリードがあることで世界中から選手が集まる。日本にバルセロナやレアルのようなチームを作って、選手を呼べるようなリーグになればという考えは

 「あります。そうできると思っていますし、そうしたい」。

 -ビジョンの最終的な形は

 「日本の文化、日本人の優しさ、社会の安全性とか協調性というのはすごく誇るべきだと思う。ウチの選手がなぜ神戸に来ているかというと、そういうこともあるわけです。だから世界のトップリーグになれると思っている。サッカーって凶暴な側面もあるじゃないですか、でも日本は多少はあるかもしれないけれど安全。今後、少子化が進む中で(社会を)開いていかないといけない。もっと人口が減っていくのも歯止めをかけないといけない。海外の人をもっと受け入れないといけない。そういう見本にJリーグがなればいいと思うんです。『プロなんだから日本人だろうが外国人だろうが関係ないでしょう』というのが僕の考え方。日本のいい選手が『海外に行きたい』と言うのを恥じるべきだと思っている。海外のすごい選手が『どうしても日本に来たい』と、少しずつそうなりつつあるんですよ。日本のリーグは欧州のリーグより下みたいなのは、なんか嫌なんです。日本は経済大国なんだから。このアジアで本当にその可能性があるのは日本のJリーグだけで、そこに世界中のトップ選手が集結すると言わないまでも、多くの選手がプレーする可能性は十分あると思うんです。トーマス・フェルマーレンという現役ベルギー代表のキャプテン。彼は欧州のどこのクラブでもプレーできる。だけど日本を選んで来ている。みんな可能性があると、何かを感じてる訳です。メディアの皆さんもそういう目線で、Jリーグの改革について書いてもらえれば嬉しいです」

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