サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪リバプールは１９日、オーストリア１部ザルツブルクから日本代表ＭＦ南野拓実（２４）を獲得したと発表した。背番号は１８で、来年１月１日に加入する。英ＢＢＣ放送（電子版）によると移籍金は７２５万ポンド（約１０億４千万円）で、２０２４年夏までの４年半契約。森保ジャパンのエースが、昨季の欧州王者で新たな挑戦を始める。

　赤いユニホームに袖を通した南野は素直な思いを口にした。「リバプールの選手になるという夢が実現した。プレミアリーグでプレーすることが目標の一つだった。このチームでプレーできるなんて思わなかった」。クラブの公式サイトで語った言葉の数々は初々しく、それでいて決意に満ちていた。

　自らの力で見事なステップアップを実現した。ザルツブルクでの５年間で地道に経験を積み、今季はここまで公式戦２２試合で９ゴール１１アシストを記録。そして１０月２日の欧州ＣＬ１次リーグ第２節ではリバプールを相手に１ゴール１アシストと輝きを放った。この活躍で評価が急上昇。昨季に６度目の欧州王者に輝いた世界的な名門クラブへの加入が決まった。

　ＦＷサラー、マネ、フィルミノという世界屈指の３トップを擁するチームだが、強豪クラブの中では選手層は比較的薄い。南野にはＦＷ、ＭＦの複数ポジションをこなす器用さを生かし、まずは貴重な控えメンバーとしての立場を確立することが求められる。

　豊富な運動量で泥くさいプレーもいとわないスタイルはチームの戦術とも合致する。「とてもワクワクしている。勝利に貢献して、喜びを一緒に分かち合えることを楽しみにしている」。日本代表のエースが欧州屈指の強豪で新たな勝負に出る。