さらば“ボンバー”元代表DF中沢佑二が現役引退 クラブ側慰留も膝不調で決断

 「ボンバーヘッド」の愛称で親しまれた、サッカーのJリーグ1部(J1)横浜Mの元日本代表DF中沢佑二(40)が現役引退を決断したことが7日、関係者への取材で分かった。近日中に発表される。昨年8月に左膝痛などの影響で、いずれもGK以外では歴代最多だったリーグ戦連続出場記録が199試合、連続フル出場が178試合でストップ。その後の治療で思うように回復しなかったことで決断した。

 横浜Mを、日本代表を堅守で支え続けた中沢が、ピッチに別れを告げる。クラブ側は契約延長を求めたが、熟慮の末に引退を決断。40歳。昨年9月に手術した膝の状態が思わしくなく、「納得できる状態でなければ戦えない」と潔く身を引く覚悟を固めた。

 持ち前の反骨心と187センチの長身を生かした空中戦の強さで、日本を代表するセンターバック(CB)へとのし上がった。

 三郷工技術高時代はプロになる目標が周囲に笑われるような無名選手。卒業後に留学したブラジルでは用具がなくなり、練習中はパスが回ってこなかった。契約がかなわず帰国すると、母校で練習した。苦難と挫折を味わいながら夢にしがみついた。年齢を偽り、後輩と出たV川崎との練習試合で得点。練習生からプロ契約にこぎ着けた。

 現役生活20年。定位置をつかんでからも居残りのキック練習、早朝の自主練習を欠かさず、食事では揚げ物を避け、酒も口にしなかった。「それくらいしないと渡り合えない。人と同じことをしたら負け」。ストイックに真摯(しんし)にサッカーと向き合い続け、フィールドプレーヤーでは歴代最多のリーグ戦199試合連続出場という金字塔を打ち立てた。まさに唯一無二。日本サッカー界屈指のCBだった。

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