【西野監督ってこんな人】歯に衣着せぬ言葉と実直な性格 おちゃめなギャップも

 日本代表の西野朗新監督はどんな人柄で、どんなサッカー観の持ち主なのか。歴代担当記者がその素顔に迫る。

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 語り口はぶっきらぼうで、内容も歯に衣(きぬ)着せない。それがまた、監督としてはもちろん、人間として魅力的だった。記者がG大阪担当となった05年は初優勝を飾り、宮本、遠藤、大黒ら戦力も充実。看板選手であっても、西野監督は手厳しい言葉を報道陣にもストレートに発信した。

 ただ、厳しく接する時は、コミュニケーションもきっちりと取った。練習後のピッチで選手と一対一の“青空会談”を行う姿を、しばしば目撃した。自ら居残りでシュートを指導した大黒や播戸は、日本代表に成長した。

 実直な性格という印象が強い。クラブハウスの駐車場で愛車に乗り込む間際、補強などのデリケートな質問をぶつけても、可能な限り対応した。はぐらかすような答えが返ってくることはなかった。

 当時の趣味は、京都の神社仏閣巡り。トイレで居合わせた際、何気なしに気に入った場所を尋ねると、豊臣秀吉の正室・ねねが建立した高台寺だと教えてくれた。魅力も熱く語ってくれたが、まだ20代だった記者が高台寺についての無知を告白すると「何だよ。言って損したなあ」とあきれられた記憶がある。

 G大阪の監督就任後、初めて暮らす関西を少しでも理解しようと京都を歩いた結果が高じて趣味に。吉本新喜劇もテレビで見て“教材”にしたという。そんなところにも、実直な人柄が感じ取れた。

 独特のユーモアセンスもある。大勝した試合後の監督会見で、開口一番「ん?カレーのにおいがしませんか?好物だからいいのですが」と切り出された時は、度肝を抜かれて笑った。サッカーを担当した4年間、そんな監督会見は他になかった。

 クールでダンディーで、バイタリティーにあふれ、おちゃめなギャップも魅力。西野監督なら、緊急事態の日本代表も良い方向に導けると信じている。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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