前橋育英 初V! ロスタイムに榎本が決勝ゴール 上州のタイガー軍団がリベンジ

 初優勝で盛り上がる前橋育英イレブン(撮影・堀内翔)
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 「全国高校サッカー選手権・決勝、前橋育英1-0流通経済大柏」(8日、埼玉スタジアム)

 3度目の決勝の舞台で、ついに悲願を実らせた。“上州のタイガー軍団”前橋育英(群馬)が1-0で流通経大柏(千葉)を下し、群馬県勢として初優勝を飾った。試合終了間際の後半47分、FW榎本樹(2年)が決勝ゴールを決めた。昨年は決勝で青森山田(青森)に0-5と大敗。同じ舞台でリベンジを果たす戴冠に、選手たちは歓喜の涙を流した。

 涙の種類は、1年前とは違った。全員が顔をくしゃくしゃにした。ヒーローインタビューで前橋育英・山田耕介監督(58)が男泣き。決勝ゴールの榎本は「初めてうれし泣きをしました」と言う。悔し涙にまみれた昨年の決勝から1年。歓喜の涙で、初優勝を分かちあった。

 「ずっとこの光景を見るためにやってきた。うれしいです」。MF田部井涼主将(3年)は言う。青森山田に0-5で負けた、昨年の決勝戦が出発点だった。節目ごとに当時の映像を見ては闘志を燃やした。1年をかけたリベンジ劇。後半ロスタイムの執念のゴールで、最高の形で幕を下ろした。

 「この1年、日本一という目標へ、負けたときも勝ったときも変わらず持ち続けてきた」。田部井主将は双子の兄・悠(3年)、MF塩沢隼人(3年)を中心として選手だけでのミーティングを何度も開催。自立して大敗から1歩ずつ、立ち直ってきた。

 試合の反省点などを選手が記す「サッカーノート」がある。記されたメモから生まれた「5原則」を1年間、徹底してきた。(1)球際の強さ(2)攻守の切り替え(3)ハードワーク(4)声(5)競り合う、拾い合う-。山田監督は「子どもたちが1年やりきると決めた。ずっと1年、やってきた」と目を細める。

 「監督とはあまりしゃべらないんですけど、(試合後に)『よくやった』と言われて握手したとき、涙が出ました」。田部井主将は優勝した瞬間を振り返る。「監督に日本一という恩返しができた」。1年間の屈辱を晴らした、日本一。泣いて、そして笑った。

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