高松商、雪辱の初戦突破だ 特別コーチのヘーレンフェイン小林に吉報届ける

 高松商(香川)が2年連続23度目のサッカー全国高校選手権(30日開幕)に挑む。粘り強い戦いで県予選を勝ち抜いたチームの目標は、昨年果たせなかった初戦突破だ。大みそかの1回戦の相手は仙台育英(宮城)。32度目出場の強敵を相手に、12年ぶりの勝利を目指す。

 大舞台に向けて総仕上げの段階に入った名門・高松商イレブン。就任1年目でチームを冬の全国舞台に導いた川原寅之亮監督(44)は「個性が強いチームだが、対話を重ねて『みんなのために』というプレーが増えてきた」とその成長ぶりに目を細める。

 激闘の連続だった県予選。2回戦の藤井学園寒川戦、準決勝の高松工芸戦はPK戦の末に勝利をものにした。粘り強く戦い、一戦ごとに自信を深めた選手たち。11月11日の決勝でライバル・四国学院大香川西を2-1で下し、2年連続の全国切符をつかみ取った。

 ピンチにも屈しない守備力の構築に加え、川原監督は「ボールを大事にしよう」と、ポゼッションを高めるトレーニングにも力を入れてきた。その集大成となる全国選手権。初戦の相手は32度目出場の強豪・仙台育英だ。

 11年ぶりに出場した昨年度大会、高松商は1回戦で駒大高(東京)に0-1で惜敗した。先輩たちの悔し涙をベンチで見届けた主将のMF伊賀龍太郎(3年)は「借りを返したい。まずは初戦突破が目標」と力強く誓う。

 全国舞台で活躍する姿を見てもらいたい人がいる。今年6月、高松商イレブンは用品メーカーが実施する育成プログラムを受講。特別コーチとして同校を訪れた日本代表MF小林祐希(25)=ヘーレンフェイン=から約3時間、指導を受けた。

 現役の日の丸戦士の華麗な技術を目の当たりにし、強気の語り口から精神面の重要さも学んだ。「相手DFとの駆け引き、ゴール前での緩急をつける動きを教わった」とFW堀内洋司(3年)。司令塔として攻撃を組み立てるMF末久傑(3年)は「意見をぶつけ合うことが大事だと言われた。いい報告ができれば」ときっぱり。オランダでプレーする“小林先生”に吉報を届けるつもりだ。

 県大会優勝の直後には、川原監督のもとに、順大時代の1年先輩にあたるJ1磐田・名波浩監督(45)から連絡があった。祝福のメッセージと一緒に贈られたのが「愚公移山(ぐこういざん)」の4文字。怠らず努力を続ければ、どんな大事業も成功する、という意味だ。

 「相手はパワフルでスピードもあるが、粘り強く守備ができればチャンスはある」と川原監督。隙を与えずひたむきに戦い、12年ぶりの勝利をつかみ取る。

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