「ＡＣＬ・１次リーグＦ組、浦和－ウェスタンシドニー」（２６日、埼玉スタジアム２００２）

　浦和駅。２５日午前７時半。いるはずのない男が、そこにいた。浦和ＭＦ阿部勇樹主将（３５）が、サプライズ登場。「あしたチャンピオンズリーグあります！」。かけ声とともにウェスタンシドニー戦の告知チラシを配布した。

　関係者によると「スタッフも知らなかった。ビックリしていた。マネジャーと話して、自分もやりたいということだった」。この日はオフだった阿部は“休日返上”でアポなしで参加。来場を呼びかけたのだった。

　チラシ配布はクラブ関係者が定期的に複数駅で実施している。この日、阿部は関係者と浦和駅で４０分、計１２００枚を配布した。チーム関係者は「阿部選手はクラブの課長以上が参加するミーティングにも来たことがある。クラブ愛があるんですね」と明かす。

　ＦＷ李忠成は「自発的にやるのは、指示されてやるのとは１万倍違う。ＡＣＬへの思いがあるからこその行動では」と主将のファインプレーに感嘆の声。チラシ効果で増えた１人でも多くの観客の前で、最高のプレーを見せる。