ハリルJAPAN執念星 首位サウジ撃破 W杯出場圏内2位浮上!

 「ロシアW杯アジア最終予選、日本2-1サウジアラビア」(15日、埼玉スタジアム2002)

 6大会連続のW杯出場を目指すサッカー日本代表は、ホームでB組首位のサウジアラビアに2-1で勝利した。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)がこれまでの主軸であるFW本田圭佑(30)=ACミラン、MF香川真司(27)=ドルトムント=らを先発から外すなど、勝負手とも言える采配を振った中、MF清武弘嗣(27)=セビリア=が前半45分にPKで先制。後半35分にはFW原口元気(25)=ヘルタ=が追加点。終盤に失点したが、逃げ切った。日本はW杯出場権内となるB組2位に浮上し、全10試合の最終予選の半分を消化した。

 執念の勝負手が、大一番で実った。勝利の瞬間、ハリルホジッチ監督は珍しく両手を広げる派手なガッツポーズを見せた。「本当に美しい、大きな勝利。今日の選手たちを本当に祝福したい。戦う意識と気持ち、行動を誇りに思う」。試合後の会見でも、軽い興奮状態は続いていた。

 大きな決断だった。負ければ解任必至の大一番。FW本田、岡崎、MF香川の“ビッグ3”のコンディション不良を憂慮し、先発から外した。「確実に席を用意されている人間はいない。ある試合に準備ができていない男がいたら、先発から外すのはちゅうちょなくやる」と語ったが、右FWの位置は先発に送り出したFW久保だけではなく、岡崎、MF清武でもテストした。

 複数の分析とシミュレーションを何度も重ねて導いた結論。「(先発は)私の責任で選んだ」。試合途中には何度も激高。ハーフタイムには相手選手とロッカールーム前で一触即発の場面も。西野技術委員長は「監督はいつでもデュエルしている」としたが、クビを賭してのタクトだった。

 覚悟の采配の“リターン”は大きい。一回り若返った攻撃陣は、スピード感あふれる攻撃を繰り返した。「所属クラブで活躍している選手が選ばれる」という大原則で、チーム内の競争も活性化。外された立場である岡崎だが「ようやく(選手の)選択肢が広がった」、主将MF長谷部も「新たな競争ができた。勝ち点3以上に価値ある試合」と語った。

 試合後、本田は「みんなが良かったので、みんなに(話を)聞いてください」とだけ話すなど選手としてのプライドをのぞかせたが、指揮官が「先発メンバーではない彼らも、みんなを励ましていた」と話すように、試合前にアドバイスを送り、清武のゴールには本田や香川も率先して歓喜の輪に加わるなどチームは一丸となった。

 これでW杯出場圏内の2位に浮上し、全10戦の最終予選をターン。険しいロシアまでの道のり。挑戦と成長を繰り返し、夢舞台への切符をつかみ取る。

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