ノリさんのため!なでしこメダル王手

 「ロンドン五輪・サッカー女子・準々決勝、日本2‐0ブラジル」(3日、ミレニアムスタジアム)

 サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)は3日、準々決勝・ブラジル戦でFW大儀見優季(25)=ポツダム、FW大野忍(28)=INAC神戸=のゴールで2‐0と勝利した。佐々木則夫監督(54)は90分間耐えてつかんだ勝利に「選手が結果を出したことに尽きる」。主将のMF宮間あや(27)=岡山湯郷=は「これがなでしこのサッカー」と胸を張った。4強に上り詰めたなでしこは準決勝で、大会直前に敗れたフランスとのリベンジマッチを迎える。

 頂点への視界が大きく開けた。勝てば史上初のメダルが決まるフランス戦に向け、主将の宮間はブラジル戦後、力強く語った。「どんな相手であっても、今日のような自分たちのサッカーをしたいですね」。その言葉には、自信と誇りが詰まっていた。

 ブラジル戦は、耐えしのいだ90分間だった。試合を通じて攻め込まれたが、DF熊谷、岩清水をはじめとする守備陣は水際で何度も体を投げ出し、ゴールを死守。宮間、川澄も守備へと奔走する時間が増えた。ボールの被支配率は64%で、受けたシュートは21本。それでも、ゼロに抑えた。

 W杯優勝で世間に植えつけた華麗なパスサッカーとは、遠いスタイル。それでもMF阪口は「懐かしい感じだった」と語る。「相手はヘタしたら12人いるんじゃないかっていう攻撃だった。でもこうやって体を張った守備は(W杯の)ドイツ戦を思い出した」。まさに原点回帰だ。「私たちはチャレンジャー。私はこれがなでしこらしさだと思う。何度でも言わせてください。これが自分たちらしさです」。宮間は強調した。

 “ドロー狙い”への賛否両論も、結束を強くした。1次リーグの南アフリカ戦。佐々木監督は移動負担を考慮し、試合中に出した引き分けの指示。国内外で論争が起きたが、宮間は「あまり話題にしたくなく、選手間でも口にするのがためらわれたことですが、南ア戦で監督はすべてのことを背負ってくれた。ノリさんの思いを無駄にはしたくなかった」。

 DF鮫島も「この五輪でメダルを獲るために4年間やってきた。ここで負けたら何もない。この試合は2度と来ない、人生で大きな意味を持つ日だと、すべてをかけてやった」。自分のため、監督のため、そしてみんなのため‐。だから、90分走り切れる。だから、なでしこは崩されない。

 必然の4強入り。ファイナルの椅子をかけて戦うのは、大会直前に敗れたフランスだが、大黒柱の沢は言う。「良いシナリオですね。今度は全然、負ける気がしません」‐。すべての思いをぶつけ、頂点へと駆けあがる。

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